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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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ブラック携帯

2006.10.20

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 ちょいと今月はクレジットカードを使いすぎている。限度額がないと知られているアメリカ系のクレジットカードであるが、実は与信枠はある。そんなことは百も承知で、来週また大きな出費がありそうなので事前に連絡することにした。一時的な与信枠の拡大依頼である。
慇懃なオペレータの指示通りに個人情報を伝え、余震金額を伝えたところずいぶん待たされた。結果はノー。え? なんで?
そうか一時、あまりにバカバカしいこのカードの年会費に嫌気が差し、会員を辞めていたことがある。しかし去年、ひょんなことから緑色のもっともスタンダードなカードにダウングレードして再入会した。その離れていた期間が長かったので以前の記録がない。つまりもっとも低級な会員のひとりとして扱われているわけだ。まあ、仕方がないことである。
そこでこちらから提案。諸事情があり、ともかくカードを使いたい。大金を持ち歩くのは危険だから、事前にデポジットしますと伝えた。それなら大丈夫という。
で、口座を聞きよろしくと伝えたところで爆弾が投下された。
慇懃姉ちゃんいわく、このカードは商業目的では使えませんと言ってきた。仕入れやなにやら商業使用的な怪しい動きがあるとすぐにカードを使えなくするというのである。えええっ!
カードを使えなくなると困るから与信枠の拡大依頼であって、デポジットである。それを向こうの恣意的な感情によって使用をコントロールされるなんておかしいではないか。
つまり商業目的というのはどこでどう判断されるのかが曖昧なのだ。確かに仕事を絡めての出張だ。その時のホテル代はどうなるの?
あるいは魔が差して、ルイヴィトンとかで100万以上の買いものをした場合、いや高級ブランドではなく、カード会社の職員の知らない通のセレクトショップで100万円くらい買い物した場合、これを仕入れと見なされてストップさせられるのだろうか。当然、そのことをぶつけてみた。すると「それは常識の範囲内で」だと。
その常識の範囲内を定義するのが企業と客と契約であろう。そこを曖昧にしてなんのサービスなのだろう。あまりのバカバカしさにアゴが外れてしまった。
世の中には仕事での会食や出張時の宿泊費、あるいは見本やサンプルの購入などでカードを使っている人はいないとでも思っているのだろうか。
もういい。そんなわけでこんな不自由なカードはもういらない。即刻解約の依頼を行った。
次にもう一枚のVISAカードに電話。与信枠の拡大を依頼すると二つ返事でOK。電話切る寸前に、さらに与信枠が欲しければまたお電話ください、すぐに対応しますだって。あらららら、この対応の差。
カードの色をどんどん変えて、ステータス観を人質に取り、商売をやってきたカード会社であるが、最近携帯電話がクレジット機能を持ち始めてきている。近い将来、携帯がクレジットカードに取って代わるかも知れない。そうなるとプラチナやブラックカードというのは一体どこで表現するのであろうか? カード会社が上位カードホルダーだけに特別なブラックカード携帯なんていう機種を発売するのだろうか。
それも間抜けでいい。
しかしインターネットと携帯電話は、古いビジネスモデルをどんどん破壊しているなあ。ある意味痛快だが、ちょっと恐ろしい気もする。

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