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他者との距離
2007.05.11
昨日、東京地方は午後から大雨が降るという予報だった。大きな傘を用意してきたのだが、結局必要なかった。代わりといってはなんだが冷たく強い風が吹きまくっている。それが今日も続いている。
昨日も今日も電車男(電車通勤という意味)なので、その強風の中駅まで歩くのが結構大変。特に今朝などは風に煽られ足もとがよろついたりした。電車も強風のおかげで遅れがでて結構混雑していた。
電車と言えば昨日の朝、溜池山王へ行く用があり、銀座線を利用したのだが、赤坂見附に停車した途端女性の悲鳴が。
「痛い、痛い、痛いー」とドアのそばで絶叫しているのである。
電車は体が押しつけられるくらいの満員で、ドアが開いたとたんであった。大勢の人々が降車していく中、悲鳴はさらに続く。
駅員がやってきて何かをやっている様子はうかがえるのだが、こちらからは結構な人で隔たれているので見えない。
それでもよく見るとどうもドアが完開きしていない。そうか隙間に手が挟まれているんだ! うわあ、痛そう。
しかし周りにいる人々は様子を窺うだけで、手助けできないし、どうしようもない。
ついに駅員さんがその手を引っこ抜いたところで、悲鳴は止んだ。その後すぐにドアは閉まり、電車は発車。女性も手を痛むところに当ててはいるが、何事もなかったかのように窓の外を見ている。他乗客も何もなかったかのように、それぞれがボーッと宙を見つめたり、途中だった携帯メールを打ったり、新聞などに戻った。
これを無関心というのがいいのかどうかは悩む。これが大阪だったら、近くのおばちゃんかなんかが「あんた、大丈夫?」とか「大変やったな」とか声を掛けそうなものだ。やはり東京は冷たいのか。そんなことを思った。もちろん自分も含めてだが。
すこし前、どこかの電車内で横に座った女性をトイレに無理やり連れ込み、暴行を働いたというので容疑者が検挙される事件があった。同じ車両に乗り合わせたおよそ40名くらいの乗客は何が行われているか薄々感じていたのに阻止も通報もできなかった。容疑者が強面だったらしい。
正義とかモラルとかの話ではあるが、他社との距離感の問題だ。どうにも日本中で他社との距離が伸びているような気がする。
いまの日本は現実にそんな社会。これでいいのだろうか?
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