友人ヒーラー - 代官山通信（蔡 俊行）

　世の中には人の心をなんとなく読めるという特殊な技能が生まれつき備わっている人がいる。百発百中でもないし、心のすべてがわかるというのでもないが、あるポイントは確実に突いてくる。世に当たるという占い師は大概そんな人たちなのだろう。あるいはヒーラーとか。
昨夜は古い友人に会った。この古い友人もこうした技能のようなものを秘めている。いろいろ話していると魂が浄化されるというか少し楽になる。いつからそんな風に感じるようになったかは不明だが、なんとなく心に元気がなくなると会いたくなる。本能が心の底で求めているものを感じ、電話やメールという行動を起こしてしまうのだろう。
胸に詰まる話やバカ話、その他いろいろで結構長く話した。
しかし昨日の白眉は、最後の話であった。どんなことかは聞かないでくれ。ここで書いたら絶対に頭がおかしくなったと誤解されるだけだ。すでにそんな評判が立っているのに、さらに悪評が広まる。だが、本当に膝をたたいた。よくぞ言ってくれた。見えていたのだが、なんとなくぼんやりしていた視界が一気にスッキリした。
おかげで人に対していまよりは優しく接することができるかも知れない。
人間、日々精進ですね。