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評価について
2009.06.15
バン・クライバーン国際ピアノコンクールで辻井伸行さんが優勝したというニュースが先週からこっちずっと話題になっている。今朝、テレビを点けるとワイドショーで演奏を行っていた。手や指が何か別の生物のようだった。
でもこの方、コンクールで優勝するまでは知る人ぞ知る存在。ほとんどの一般人が知らなかったことだろう。CDは品薄状態で一夜にして大スターになった感がある。昔から知っている人や熱心なファン、素養の高い人たちからすると何を言ってるんだと思われるかも知れないが、彼を知らない一般の人はそう思うということです。
評価というものは、その道に暗い場合、どうしても詳しい人のアドバイスが有効になる。コンクールやコンテスト、各種の賞というのはその極北的行為であろう。
最も素晴らしかった演劇、映画、音楽、芸術、文化活動にはほとんどこうしたご褒美がある。そしてそれを見て我々は、楽しみのため、話題のため、退屈しのぎのため、様々な理由である場所に赴いたり、購入したりしてそれらを消費する。
なんだかわけのわからないことを書いていますが、多くの人が自分としての絶対的な評価ができないということです。みんな自信がないというか、求道者ではないから胸を張ってこれがいいとか悪いとか言えない。そもそもそういう営為自体に興味が無いのかも知れない。
しかし腕のいい料理人はいい包丁を見分けられるし、レーシングドライバーは市販車のハンドリングの善し悪しをただちに判断できます。みんなそれぞれの職業や趣味などで自分なりの絶対値というものを持っている。
ある分野では門外漢でもある分野では一家言どころか大家たり得る。広い世の中にはそんな人は無数にいると思います。
ひとつでもいい。何かについて絶対的な判断ができる人は、他分野でも自信を持って自分なりの評価ができるはずです。
そんな人間になりたいですね。
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