ブラックスワン - 代官山通信（蔡 俊行）

　ブラックスワンを観た。六本木ヒルズのTOHOのいちばん大きなスクリーン。つまり客席数も多い。その会場は観た回もそうだが、前後もすべて満員。ものすごい人気だ。

　ナタリー・ポートマンのすさまじい役作り、演技、執念みたいなものについてはすでに観ている人やマスコミ、ブログ、ツイート、果てはアカデミー主演女優賞受賞で聞いてはいたが、やはり聞くと観るでは大違い。まったくもってすごい。なんなんだろう、このすごさ。先日観たブルーバレンタインのミシェル・ウイリアムズの役作りもすごかったが、やはりハリウッドはスケールが違う。マーケットの広さがそうさせるんだろうね。全世界がお客さんなんだもの。日本の俳優さんたちのポジションと比べるとそれは可哀想かも知れない。

　賛否が別れているけど、眠気を圧しながらもぼくは最後まで緊張感を保ったまま楽しむことができた。爪が割れるとか逆剥けをさらに剥がすとかそういう痛そうなシーンが苦手であるが、また観たいとさえ思った。しかしこの作品は間違いなく大音量・大画面とスクリーンで見ないと良さが減ると思う。特に映画館の音量についてはいつも感じるが、どんなにテレビが大きくなっても家庭であの音響は再現できない。ぜひ映画館まで足を運んでみてください。面白かった、つまらなかった、素晴らしかった、期待はずれだったはそれぞれの主観なので保証はできません。