便利だけど - 代官山通信（蔡 俊行）

　断捨離ならぬ、持ち物減らしのため、いろんなものを日々処分している。1年ほど前、一気に書棚の本のほとんどを仕分けせずドワッと古書店に引き取らせた時は淋しいを超えて気持ちよかった。いまになって少し後悔しているが、必要ならまた買えばいいし、大概の本は図書館で借りられる。やや不便なだけで、スペースがどーんと空いた気持ちよさには変えられないのだ。

　で、その遅れたタイミングでCDの整理をしようとして、ハードディスクを買って一気にリッピングしようとしたところ、例のタイの大洪水でハードディスクの価格が吊り上がってしまった。まあ急ぐでもなくまた値段が落ち着いたらと考え放置していたところ、このところ価格が安定しているようなのでハードディスクを買った。いまや2TBで8000円くらいで買える。ムーアの法則という言葉を噛み締める。

　で、もくもくとリッピング中。今日で3日目。ずっとパソコンの前にいるわけでなく、読書しながらとか仕事しながらとかの作業なのでのんびり。すでに3分の2は作業終了した。しかし終わった後CDをどうするかである。処分したいところなのだが、こちらはハードディスク。堅牢度という意味ではまったく頼りにならない。いつの日か前触れもなく逝ってしまうことがある。安いからといって、バックアップ用のハードディスクを買い足すというのもなんだし。でもそうしないとCD処分できないしということで悩んでいる。

　クラウド・ストレージでこういうのを預けるサービスもありそうだが、まだ調べてない。でもクラウドサービスに置いておいたらぼくが許可した人なら誰でもコピーできちゃうわけだから、音楽ソフトはNGとかそんなレギュレーションがありそうだ。便利なんだがまだ発展途上なんだか妙な世の中である。

　さっきamazonからメールが来て、Kindleが明日届くらしい。ここで買った本はamazonのクラウドで管理してくれるし、新しく始めたamazonの音楽配信サービスもクラウドで管理してくれる。しかしよそで買ったものは当然ながらできない。これも便利だけど不便。どうにかならないかなあ。