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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Are you the captain of your soul?

2010.02.06

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いまから15年以上前。 
まだ僕がNYに住んでいた頃に、とある(誰でも知ってるアメリカの)大手デーパートの広報部長さんと知り合った時の話しです。 

アップタウンのとても立派なオフィスで、残り数ヶ月の職務を全うして友人と次のステップを目指しているという夢を語ってくれました。 

そして別れ際に手渡されたのは一束のプリントアウト。 
それは女流監督兼脚本家の友人が書き上げたスクリプトでした。 

「とにかく読んでみて欲しい。」と... 

その頃は今ほど英語に不自由していなかった訳ではなかったので、初めて読むような膨大な量の資料を前に「完読できるかな?」...なんて不安に思ったものです。

家に帰った僕は辞書を傍らに置き、恐るおそる読み始めてみると... 

皆さんも買ってきた本が面白くって、すらすらと読めてしまって、あっという間に終わってしまった...なんて経験があると思いますが、まさにそんな感じでした。 

その時の作品の内容は割愛しますが、メインキャストとして黒人の男性と、近所に住むとても多感な6歳くらいの白人の女の子とのその両親との複雑な関係を題材にしたお話でした。 

スクリプトを貰った時にはそれ以外なにも渡されていなかったので、当然読み進めるにつれて自分なりにキャラクター像を作り上げ、実在する俳優さん達をあてはめて行く訳ですが... 

2週間ほど経ってからその彼女に再会した時に、正式に資金を調達してくれないかという話しをされました。 折しも日本はとっくの昔にバブルも崩壊し、孫さんがマードックと組んでテレ朝を...なんていう時代ですからITバブルもまだまだ。 

当然難航が予測されたのですが、少しでも役に立つようにと3枚の宣材写真を渡されました。 

何よりもビックリしたのが、一番のキーマンであった黒人男性が、自分が勝手に想像していたモーガン・フリーマン、その人だったからです。 




この映画を観に行く前に再認識しなきゃいけないのは、舞台となったのは1994年だという事。 

そう、たった16年前の事なんです。 
どこかの国の仮定の話じゃなくて、実際にこの地球上で最近あった話。 

僕が小学生の頃、大好きだったアップルタイザーや、お年玉やお小遣いを貯めて買っていたクルーガーランド金貨は南アフリカ共和国のものです。 

そしてSUN CITYに象徴されるアパルトヘイトによる人種差別が行われていたのもこの国ですし、その事によって日本をはじめ世界各国で抗議活動の一環としてアップルタイザーやクルーガーランド金貨も流通がなくなった時代があったほどです。 

今でこそ、それらは普通に流通していますが、この映画に描かれている背景があったからこそなのではないでしょうか... 


★★★★★


イーストウッド監督にしては、話の内容のわりに驚くほど暗さのない、真っ直ぐな映画。 

文句なしの傑作!
そして間違いない大作!

あ、但し注意事項がひとつだけ。
涙腺の弱い方は相当な覚悟が必要かと... 

特に後半以降、いちいち泣けます。 
僕の右前隣にいた初老の男性なんか、手を顔の前で握りしめていた程です。

ちなみに冒頭のお話し。
結局その時は蔵入りでしたが、実はいまでもチャンスをうかがっています...

あ、年度末も近いことですし、どなたかお金出して下さる方いらっしゃいませんか♪

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