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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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A day at the beach...

2010.04.26

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1987年といえば日本の年号で言うと、昭和62年。

2月に公開されたNTT株に買い注文が殺到して初値が付かず、4月には日本国有鉄道が民営化されJRに。6月に竹下内閣が発足し、10月にはNY市場の大暴落(ブラックマンデー)の影響を受け、円が10月末の時点で1ドル137円の高値を更新して年末には121円まで突入。

歌謡界では近藤真彦の「愚か者」が日本レコード大賞を受賞し、俵万智子の「サラダ記念日」がベストセラーになったり、ショルダーホンと呼ばれていた無線電話が900グラムを切って初めて「携帯電話」と呼ばれるようになった年。

映画でいうならば「ラスト・エンペラー」がアカデミーを9部門受賞し、「アンタッチャブル」や「ベルリン天使の詩」が公開された年。

日本で初めてのエイズ患者が認定され、発病から半年で死亡した年。

そして、個人的には自分が単身ミラノに旅立った年。


確かにモニークの演技(特にラスト)は迫真に迫るものがあるし、マライアにしろ主演のボレイ・シディベも本当に素晴らしいし、クラスメイトの演技がさらに物語に深みを与えてるのは言うまでもないでしょう。

次々と主人公に降りかかる困難な状況には、正直唖然とさせられるし、呆然としてしまう瞬間も多く、内容的にも数々の賞を受賞するのも理解できます。 

ただ原作の小説があるにせよ、1987年の話をあたかもこの瞬間に起こっているかのように感じてしまう設定?には、正直抵抗を感じざるを得ないのは僕だけではないはず。何かこう、迫真の演技ありきで、ストーリーが置いていけぼりになってしまっていて、肝心の訴えたい事が響かない気がしてなりませんでした。 

なので、今回は無星。 
ただ、これはいい悪いとかではなく、本当に何とも言い難いのです。

だから是非自分の目で確かめた上で、それぞれが感じたまま受け入れるべき映画だと思います。

でも違った見方をすれば、少なくともその時代を知らない若い人にとっては、冒頭の日本の出来事と照らし合わせた上で、このような混沌とした時代がアメリカの、それもニューヨークという大都市を舞台にしたお話しだという事を考えてみるにはいい材料かも知れません。

そう考えれば、前記のいただけないと感じた時代錯誤してしまうような設定も、その格差を感じるにはいいのかもしれませんね。いずれにせよ、たかだか23年前の事なのですから...

ただ、難しい作品や重くて暗い題材に敢えて挑む事が、決して素晴らしい作品の条件ではないと僕は信じています。

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