Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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あなたはVISIONAIREを知っていますか? <10>
2010.04.03
VISIONAIREのページが「綴じられていない」とは言っても、ページの順番を決めて編集しているので、号によっても異なりましたが、まずは印刷所から届いたページを畳何畳分かはあろうかという広い作業机の上に1ページ目から順に並べていき、最後に表紙の部分(ケース)を置きます。
あとは皆さんの想像通り、1ページづつ最初から手作業で集めていき、最後に表紙のケースに収めておしまいです。
僕が最初に携わったのが10号の"ALPHABET・アルファベット"だったので、AからZまでを1ページごとに束にして積み上げ、それをAから順番に取っていくのですが、
もちろんこの作業もすべて自分たちの手で行います。
よく「えっ?自分たちで?」って聞き返される事もあるのですが、スティーヴンも含めて、時間がある人が来て、自分たちで作業を行う。
そうすることによって、余計な出費を抑えていた=安くしてもらってたのです。
...と言うことは、バーチャルスクールに通っていた僕が誰よりも一番「時間がある人」だったので普通に朝から夕方までフツーに一人で工場で作業してた事もありましたね。
でもそのお陰で、様々な行程やシステムを短時間で覚えられたんだと思いますが、幸か不幸かオフィスの整頓に続いてここでも僕の日本人気質を発揮してしまったのです(笑)。
今でこそトヨタ発の「改善」というのは世界共通語だそうですが、とにかく単純作業を「いかに効率良くするか」という事を徹底したのです。
要は「面倒臭がり」なだけなんですけどね...
つまり、普通に考えればこの"ALPHABET"の場合だとA〜Zをひとりの人間が順番に全て手持ちで取っていくと、移動距離も長いので時間も掛かるし、かさばるので最後のZを取った時にはすでにページがずれています。そしてこれを揃えようとすると、紙質もインクの量も違うからうまく揃わない=1冊あたりを完成させのに時間が掛かるわけです。
そこで僕は、例えばA〜M、N〜Zといった具合に2つないしは3つのセクションに分け、それぞれのセクションを別々の人が担当し、個別に積み上げたものを後から一緒にするというものでした。
こうする事によって、一人当たりの移動距離が短くなるので、スピードが上がるだけではなく、手持ちの数が半分になるから、仕上がりもキレイになるだけでなく、シミや落丁などのミスなども見つけやすくなるのです。
で、あとはこれらの束を一緒にして表紙に詰めて、ある程度たまったらシュリンクラップをしてくれる作業台に運んでいくというものです。
こう書いてしまうととても普通の事なんですが、実はこの工場は巨大な工業ビルの11階ワンフロアーを使っていたので、相当数(主にメキシコ人やヒスパニック系)の従業員を抱えていたにも関わらず、僕たちはERICの好意で場所だけを借りて、自分たちで作業をしていました。
つまり、そうする事によって製本コストを削減し、僕たちには出来ない「シュリンクラップ」や「フォイルスタンピング」、「ダイカット(型抜き)」などと言う加工部分だけを請けを安価に負ってくれていたわけです。
だから僕が提案した事によって作業効率は上がるけれども、それ以外のABCが担当する工程の遅れが目立ってしまってERICはきっと(そういう部分では)僕の事をあまり好ましく思っていなかった事は容易に想像できます。
...っていうか、今の自分と比較すると想像もつかないのですが、当時はまだあまり英語が話せないことを遠回しにバカにされてましたし(笑) 。
ただ実際の結果(作業効率の向上)は明らかだったので、僕的には全くと言って良いほど気になりませんでしたが、一度それをたまたま耳にしたスティーヴンが烈火のごとく彼に怒った事があります。
"Don't make a fun of Fumiaki!"
「彼をバカにするな。」
温厚な彼が外部の人間に怒ることはあまりないので、よく覚えているシーンの一つです。
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