Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Arrivederci Roma...
2010.08.04
皆さんは「ゆっくリズム」って言う言葉を聞いた事がありますか?
そういう僕も確か小学生の頃に学校の先生から教えてもらった...というよりも、その先生も朝日の天声人語からの受け売りか何かだった気がしますが、要はこういう事。
アスファルトやコンクリートで出来た道端にタンポポの花や雑草が咲いている姿を見た事はありますよね。
あれだって人間が力任せに何かを押したって決して刺さる事のない固さなはずなのに、一日一日と日々ゆっくりと微力ながら力を加えて行く事で、最終的には強固なアスファルトをも雑草が突き破ってしまうという様を言い当てたのが「ゆっくリズム」。
ただこれって別に植物の話しだけではなく、人間関係や日々の努力だって同じ事ですよね。
いきなりがさつに入り込んだところで築き上げる事ができなかった人間関係も、日々努力を重ねる事で円滑に進むようになったり...
それは個人の繋がりはもちろん、いつしかグループやはたまた国家までも揺るがしかねない馬鹿にできない大きな力。
そして一人の人間の信念が、一国はおろか、世界の秩序のあり方までをも変えてしまう。今日はそんな映画を観に行ってきました。
ソビエト連邦崩壊のきっかけとなった、実話を基にしたお話。
それこそ007のように数日、下手をしたら数時間の内に問題を解決するために沢山の命を犠牲にし、派手なカーチェイスにラブロマンス、そして止まる事のドンパチが繰り返される事もない、実に現実的な淡々とした物語。
それ故に、途中退屈に思える部分もあるかもしれませんが、その一歩一歩着実な、ゆっくりとしながらも確実な前進こそが、今の世界が秩序を保っているキッカケなのだと気付ければ、後半からは息をひそめる展開へと変わっていくでしょう。
★★★★★
僕が初めてミラノの地に降り立ったのは87年の事。
途中母親が声楽家として活動していたドイツに立寄り、まだ崩壊していないベルリンの壁の向こう、そう東ベルリンを訪れた時の事を思い出しました。
第二次世界大戦で分割されてしまった都市ですが、街の美しいと思われる殆どが東側に位置していたのは無知な10代半ば過ぎの僕にでも理解するのは容易でした。
そして途中立ち寄ったレストランの冷たさと言うか、殺風景さは忘れる事ができません。もちろん外貨を稼ぎたいので基本ウェルカムなのでしょうが、働いていた夫婦らしき人の表情の硬さを鮮明に覚えています。
折しも北朝鮮の元工作員が日本を訪問したニュースが駆け巡りましたが、この映画の内容すらたった30年前の事。
その30年で大きく変わった事もあれば、何も変化がない部分がある事も周知の事実なわけで、いかにその事に気付き、リアクトする事ができるかというのが大切なのではないでしょうか?
いずれにしても決して他人事では済まされないはずです。


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