Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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A Monarch...
2011.03.01
もっとも自称とは言え一応「民主主義国家」を唱える我が国ですので、開かれた、つまり透明性のあるクリーンな政治というのは、出来るできないは別として方向性としては正しく聞こえるのも確かであって、だからこそ誰もが唱えたがるのでしょう。
ただ最近はそれが「=(政治自体ではなく特定の政治家を)身近に感じさせる」的な本来の意味とはかけ離れた、短絡的なパフォーマンスに終始しているようにも見受けられますが、これは別に政治に限った事ではなく、銀幕のスターにしても同じ事。
もはや手の届かない存在どころか「お前近すぎだよ!」ってツッコミたくなっても不思議ではないくらい(笑)。
等身大といえばそれまででしょうが、様々なメディアや娯楽の登場によって、本来の魅力だけでは観衆の関心を引き寄せられなくなった途端に媚び始めたかの如く(別に本人達がそう願わなかったとしても)興行的な事なのか、はたまた大人の事情なのかはわかりませんが、新作の公開や発表に合わせた絶妙なタイミングで展開される恋の進展具合には、もはや「液晶のスター」や「携帯のスター」なんて言った方が良いくらいお手軽。
もちろんこれらは我が国に限った事ではありませんが、まぁ良く大衆も飽きずに付き合うなぁ...というのが正直な感想です(笑)。
ただこの延長線上にあるものか何かのように、国民はその身近さを皇族に対しても期待しているフシがあるのは気のせいではないはず。
もちろん一般女性であった美智子さまが皇族になられた事、そして人間らしい子育てなどを実践されてきたからこそ得られた共感もあるでしょう。別にその事がどうのという事ではなく、逆に皇室不要論のような反対意見をかわす事にもなったはずです。
ただ僕が思うに実際の所はどちらかと言えば民衆の側が円熟しきれていないからこそ起き得る現象なのであろうと推測するわけで「団塊の世代」や「ベビーブーム」に「ゆとり教育」といった思考の脆弱化を後押しするかのような、我が国独特のムーブメントにも起因しているのかもしれないのかなぁ...なんて言う思いが、先日の「英国王のスピーチ」を観終わったあとに沸々とわき上がってきたのです。
知っているようで知らない、というのは英国王室にしても日本の皇室にしても同じ事。開かれているようで、実はそこまでは開かれていない。
でもそれでいいと思うんです。
皇族方の公務の内容というのは、週末の早朝に放映される番組かニュースを通して知る事ができる程度ですが、宮中行事と呼ばれる実際は数えきれない程のしきたりや細かい日々の儀式が積み重ねられているからこそ、我々が知らずのうちに日本人としてのアイデンティティーを保って行く事のできる一つの理由だと思うのです。
そのくせ自分たちは旧き良き習慣やしきたりを簡単に忘れ去り、便利で礼節のない世の中を作り上げている割には無理矢理自分たち国民のヴィジョンにあてはめようとしすぎているんじゃないかなぁ...と、作品が佳境に進むにつれ感じていたんですよね。
そんな「英国王のスピーチ」も昨日のアカデミー賞では作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞と主要4部門において最優秀賞を獲得したのはご存知の通り。
その余韻に浸りながらも特に印象的だったのはコリン・ファース扮するヨーク公アルバート王子がダウニング街10番地にある首相官邸を訪れるシーン。
これって現在の日本に例えるのであれば兄である皇太子徳仁親王の代わりに秋篠宮文仁親王が永田町にある首相官邸にいる管総理を訪ねてこれからの国の行く末を話し合うのと同じなわけですよ!
象徴天皇制となった我が国と今なお君主制である英国との差はあるでしょうが、大戦の敵国とこちら側の内側を垣間みる感じがとてもスリリングであり、感慨深いものがありました。
結果的には勝利を収めた国と敗戦国との違いもありますが、その後の民衆の円熟度にも大いに関係があるのではないでしょうか...
別に今日は小難しい事を書くつもりはなかったのですが、それくらいの余韻を残すくらい「英国王のスピーチ」が大作だったという事なのでしょう。個人的には「ソーシャル・ネットワーク」のスピード感も捨てがたいんですけどね(笑)。


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