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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Any Objection?

2011.04.06

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皆さんはペルーって聞くと何を思い出しますか?

僕にとっては日系の元大統領でも日本大使館占拠でもマチュ・ピチュでもなく、ファッション・フォトグラファーのマリオ・テスティーノ。

彼は首都であるリマの裕福な家庭の5人兄弟(姉2人がいる)長男として生まれました。

いつだか話した時に、結構若い頃からクレジットカードを持たされていたと言っていたので、彼の地の経済状況を考えれば相当裕福なはずで、実際に彼自身もいくつかの大学を学び歩いた後にロンドンに渡って写真の勉強を始めたのです。

そんな彼の意外なというか、当然の趣味と言えばオリジナルプリントの収集。
単にインテリアとしてではなく、将来的にリマに美術館を開いて寄付をすべく黙々と収集しているのです。

ですから以前このブログでも書いたように、日本にくれば著名ギャラリーはもちろん、書店で写真集を漁っては気に入ったアーティストに直接コンタクトをして購入するというスタイルで、ギャラリーの方も心得ているので彼が来ればそのまま裏にあるストックルームへというスタイル。

でもこう書くと華やかな印象ばかりが目立ってしまいそうですが、彼がもうひとつ力を入れているのがチャリティー。その中でも特に力を入れているのが小児ガンの子供達に対するもので。5人兄弟と書きましたが幼少の頃に末っ子だった弟を小児ガンで亡くしているので、思う所があったのでしょう。実際に近年には彼の地にファウンデーションを作ったほど。

だからという訳ではないでしょうが、家族の結束は固く、彼のエージェンシーであり弊社の提携先であるArt Partner は実弟であるジョヴァンニが経営していますし、一番最初の写真集を出した時にVOGUEのアナ・ウィンターがNYのSuriaというインド料理店で開いたプライベートのディナーパーティーがあったのですが、その時にもお姉さん2人がリマから来ていたのがとても印象的でした。


前述の話しはともかく、ラテン系特有の家族の絆を描いた作品。

核家族なんていう言葉が横行する我が国では考えられないような母と娘の親子愛や、特定の地域の環境や特異性、そしてそれが国民性とでもいうか対照的な外界との交差を阻むように作用し、ひとり悩む混沌とした時間が流れて行きます。

ただそんなに難しく考えなくても、乾いた空気と大地に映える独特の色使いと主演女優の美しさを見るだけでもとても刺激的な作品。

劇中の彼女が口ずさむ歌が印象的ですが、そのほとんどが彼女の即興によるものだというから驚きです。

★★★★★★

普通の感覚で観ていると理解しがたいシーンも多々ありますが、時間を進むごとに自然と映画の中の世界と同化できるはずなので心配無用です。

ちなみにというか、話しは戻りますが件のマリオの一番最初の写真集。
"Any Objection?"の表紙中央あたりでサングラスをかけて白いタオルをビーチに敷いて座っている男性がいるのですが、実はマリオが当時NYで現像を依頼しているラボで働いている男性で、たまたまリオに遊びに行っていて偶然にも写真に納まっていたという後日談も(笑)。

あ、ちなみにデザインはVISIONAIREチームとなっています。はい。

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