あなたはVISIONAIREを知っていますか？ - Boolog A Go-Go!（石光史明）

 

VISIONAIREの各号にはいくつものバージョン違いが存在する事は以前も触れた事と思いますが、今日はHERMESとの最初のコラボレーションである26号「FANTASY」をご紹介したいと思います。

もちろん20号の「Comme des Garçon」も赤と青の異なる表紙のものが存在するのは周知の通りですが、実はこれ以前の号にバージョン違いが存在するのはあまり知られていないんですよね。

ただそれらはギャルソンのものとは異なり、最初から明確なコンセプトのもとにというよりは、当時の制作過程（主に予算の関係）に由来するものがほとんどで、その辺りが初期のものに多くみられる主な理由。まぁバージョン違いと言っても最終行程の工場にあったストックを安価で提供してもらっていたところから表紙ロゴのフォイルスタンプの色が異なる8号、12号、そしてリボンの色がピンクとブルーの2バージョンある15号のシンデレラなど。

とは言えコレクターの方からすれば気になる所ではあると思うので次の機会にでもご紹介できればと思いますが、そう言う意味では外観からは全く判断できないのが、この「FANTASY」。

制作は1998年で6000部が制作されたこの号には、エルメスのシルクスカーフとショッピングバッグやボックス等でおなじみのオレンジ色の紙素材で出来たマスクが同梱されているのですが、実はそのうち60部（つまり1000分の1の確立）には紙素材部分がスムースレザーを用いて作られている特別バージョンが存在するのです。

 

ステッチやリベットのディティール感もなかなかなものだと思いませんか？

写真は僕が個人で所有する深緑と青の2色。

ただこの他にも知っている限りでは黒に赤、そして黄色が存在しますが、実際のところ何色あるのかは今となっては誰も知らないのではないでしょうか。

そして、こちらは実際の26号の表紙と同じデザインなのですが一回りほど小さい何かが...

 

そう、これは1998年11月9日に開催されたこの号の出版記念パーティーのインビテーション。

お招きする僕らはもちろん、お客様も色とりどりの文字通りのMasquerade（マスカレード＝仮面舞踏会）を堪能した一夜。パーティー嫌いの僕にしてはわざわざNYに行った記憶がある実に貴重な思い出です（笑）。

ただこうなってくると...というよりも発売当初から気になっていた事がひとつ。

それは「本当に入ってるの？」という疑問（笑）。

いや、もちろん最初から入れてないものを入っていると言って発売する事はあり得ないのですが、正直ずっと気になっていたのも確か。ただこの心配も発売を開始して数日で解消されたのです。実は当時某全国紙の文化担当の記者さんから取材を受けたのですが、最後の方の会話で「そう言えばこのまえ◯◯（弊社元取引先）で26号を買ったんですけれど、革製のマスクが入ってたんですよ！」との事。

もちろん胸をなで下ろしたのは言うまでもありませんが、思わず「ラッキーですね！」なんて素っ頓狂な事を言ってみたり。

...という事で皆さん！

まだまだスペシャルバージョンが残っている可能性もありますので、興味のある方は是非！

あ、ちなみに先着ではありますが、このインビテーションもプレゼントしておりますです、ハイ。