Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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あなたはVISIONAIREを知っていますか? <37>
2011.07.28
先日の26号のバージョン違いとは異なり、偶発的(こう書くとちょっと語弊があるかもしれませんが)初めからの思惑ではなく、制作過程(それもかなりの最終段階)において、主に予算の関係からバージョン違いが誕生した号がいくつかあると書きましたが、今日ご紹介する12号「DESIRE」もそのひとつ。
百聞は一見に如かずという事で写真を見て頂ければ一目瞭然なのですが、実はフォイルスタンプ(箔押し)の色が青と銀の色違いのバージョンが存在するのです。コレクターの方でもご存知ない方も結構いらっしゃるようなのですが、元々のデザインは中国で制作された赤のサテン地のボックスの上に青色のフォイルスタンプを施すというもの。
ところが当時は今のようにお金もなかったので基本的に26丁目にあった制作工場にあるストックを安価で提供してもらっていたのですが、実際にスタンピングを始めてしばらく経ってからオーナーの息子のEricから「実は青が足りないんだ...」と(爆)。
そこで急遽白羽の矢が立ったのがこの「銀色」。
いずれにしてもこの号はDIFFA(Design Industries Foundation Fight Against Aids)という、アメリカのデザイン業界のエイズ撲滅団体とのチャリティーという共同作業(全ての掲載作品は後にギャラリーで販売され全額がこの団体に寄付されました)から生まれたものだったので、床屋のマークでもおなじみの静脈と動脈と包帯を表すという観点からもしっくりくるという事で即採用。好みはあるでしょうが全く違和感のないものに仕上がったという物語があったのです。
ちなみに表紙に中国製のボックスを使用したのは11号のペーパーカットに引き続き、この前のクリスマス休暇にスティーヴン、ジェームスそしてセシリアが一緒に中国へ旅行したことからの影響。もともと大の仲良し三人なので当時は休みになるといつも一緒に旅行をしていたのです。
それにしてもこの号、最初のページにはStephane Sednaoui(カイリー・ミノーグの最初の旦那さんって言った方がわかりやすいのかな?)が撮り下ろしたShalom Hallowの3Dプリントが付いてきたりと見所も満載。実際自分でプリント焼く人ってそんなにいない事を考えれば普通にオリジナルプリント(綴じていないので額装が出来る)が手に入るなんて相当お得という事で当時は人気になったものです。
気になる入手方法は弊社オンラインストアからお求め頂けますが、青バージョンは主にアメリカ市場向けに出荷されていて日本を含むそれ以外の地域においては基本的にシルバー。なんだそっちの方が貴重じゃないかという声も聞こえてきそうですが、そんな方に朗報?をひとつ。
実は日本以外で販売されたものは、箔押しの色の違いにかかわらず全てのナンバーリングは僕の手書きなんですよね。
もっともこれは10号からそうだったのですが、作っている方とすれば番号はあくまでも数字でしかないので、同誌初のインターンとして加わった僕のある意味最も重要な仕事だったのです。ただそこは雑誌コレクターの自分の事なので抜かりはありません。そう、弊社が輸入する日本向けのものに限ってはすべてスティーヴンの手書きなのです(笑)。
だって気が引けるじゃないですか、そういうディティールが好きで購入して下さるファンの方がいらっしゃるんですから、僕としては出来る限りそれに応えたいと思ってやってきた事。
ちなみに21号からはカリグラファーを雇ったりプリントされたステッカーにとって変わられるのですが、20号のギャルソンまでは世界中で流通しているVISIONAIREのうち、弊社で販売しているもの以外ほぼ100%僕の手書きによるものです。
だから何だってわけではありませんが、今考えてみると、僕のNY時代で一番嫌いな作業だったかもしれません。だって本当に面倒なんですから(笑)。
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