Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Romance me!
2012.02.07
葵の御紋の印籠を見れば水戸黄門、桜田門といえば警視庁、誠と書けば新撰組というように、何かを見たり聞いたりすれば一瞬にしてある人物やモノをインスピレーションできる事がありますよね。
海外で言うならばアストン・マーティンなら007だし、ディアストーカーハットとパイプであればシャーロック・ホームズを連想する人も多い事でしょう。
「J・エドガー」
初代FBI長官、John Edgar Hoover の名前を一番最初に予告編で観た時、心の中で「おおっ!」とガッツポーズをしたのは僕だけではなかったはず。それほど彼の名前はその手のジャンル好きには直接的であれ間接的であれ大きな意味を持つと思うのですが、次の瞬間 Leonald DeCaprio という文字を見た瞬間に「えぇ!」と違った意味での驚きを隠せなかった人も僕だけではなかったと思います。
でもそんな心配は無用でした。
結論から言えば、とても素晴らしかった。
アンチ・レオ様の急先鋒と言っても過言ではないくらいのレオ様嫌いの自分も納得。ゴメンねレオ様。今まで散々悪口言ってきたけど本当に良い作品に巡りあえて良かった!
★★★★★
違った捉え方をするのであれば、ストーリーテラー的な要素が強いので今までの彼の売りであったであろう容姿や目に見える部分がとても少ないというのもあるかもしれませんが、とんねるずの石橋貴明が「みなさんのおかげでした」のエグゼクティヴ・プロデューサーの物真似してるようなメイクを差し引いても良い作品だった。
実際に彼がFBI長官であった1924年から'72年、実に48年間もその地位に居続けたという事は(日本で言うならば大正13年から昭和47年という時代背景を考えれば)驚愕に価する絶対権力であった事は間違いなく、指紋採取や科学捜査といった手法を最初に取り入れた男。フリーメイソンの一員というだけではなく、今では自身の名を冠する部屋がワシントンのHouse of Templeに存在するほどだという事。その辺りを予習してから観るとより一層楽しめるはず。また人種差別主義者で有色人種をほとんど採用しなかったのは事実のようですが、彼が同性愛者であったり女装趣味であったというのは公式なものではないそう。いずれにしてもマフィアとのグレーな関係も含めて決して完全無垢なヒーロー像ではないようです。
そして何よりもこれがレオナルド・ディカプリオの作品ではなく、John Edgar Hoover その人の生涯を綴るという事で徹している所に好感が持てるし、カメラワークもその辺りを心得ている所がグッとくる訳です。全ての年代を同一の俳優さんが演ずるべきだったかは賛否両論あるでしょうが、本当の意味での(王道な)ダーティーさを演じる事ができたレオ様の今後が実に楽しみ。
旧き良き時代の中で生きる事の難しさやパーソナリティーがひしひしと伝わってきました。彼は何十年も先にマーロン・ブランドのようになっているのかなぁ...なんてね。
あ、ちなみにこの作品はワーナーブラザーズ社の配給ですが、実はフーバー自身も1959年に同社のThe F.B.I Story という映画にコンサルタントとして参加しており、そこからスピンオフしたTVシリーズのThe F.B.I.はロングランのヒットを飛ばしたので近い年齢の人は覚えているのでは? でもこういう所がアメリカの憎いところですよね。エンターテインメントの何たるかを心得ていらっしゃる(笑)。
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