HOME  >  BLOG

Creator Blog

川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

Blog Menu

観客のことを、意識の旅行者だと捉えてみる。

2013.10.07

このエントリーをはてなブックマークに追加

作者の意識に旅行者を迎える感覚がちょうどいいのではないか。来年のブラジルワールドカップへ向けた拡張現実企画を急に頼まれ、手始めにブラジルっぽぃ映画でも観るかと「シティ・オブ・ゴッド」と「未来世紀ブラジル」を鑑賞していたら、不意にこの仮説が浮かんだ。

・旅行者は、ガイドブックを持っているかも知れない。
・旅行者は、ガイドブックを持ってないかも知れない。
・旅行者は、言葉が通じるかも知れない。
・旅行者は、言葉が通じないかも知れない。
・ガイドブックを持っていた場合、そこに書いてあることが全てではいけない。
(書いてないことを発見させる余白がなければいけない)
・ガイドブックを持っていない場合、まずは何を見たらいいのかを知らない。
(どんな順番と作法があるのか、情報を与えなくてはいけない)
・与えた余白、順番、作法に准ずる時間の経過を描かなくてはならない。
・同時に、現実の時間を忘れさせないといけない。
・言葉が通じるということは言葉で説明できるということ。
(あえて言葉で説明しないという選択肢がある)
・言葉が通じないということは言葉で説明できないということ。
(あえて言葉で説明しようとする選択肢がある)

国内旅行者と海外旅行者。求める質が異なるものの、旅行者であることは変わらない。日常会話では辿り着かない境地に、もれなく連れてゆかなくてはならない。チケットを購入して足を運ぶ映画の観客も、栞をはさんでまた同じ場所に来てくれる小説の読者も、同じ。小説を映画に翻訳する、映画を小説に翻訳する。プログラムビューでここを直せば、デザインビューのここが直る。縦横無尽に、現実を拡張するための試金石が、ここに内在している。

※コメントは承認されるまで公開されません。