California Love
小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。
www.countyline.jp
inspirationla.com
真夜中のラスベガス:移動中
2011.08.26
Mr.能天気とのサーフセッションから家に戻り、旅の支度を整え、夜9時にロサンゼルスを出発した。
ラスベガスへの到着予定時刻は25時。渋滞さえなければ4時間で辿り着く。渋滞さえなければ。。。
ロサンゼルスを出発して15分。いきなり渋滞につかまる。
iPhoneで渋滞情報を見ると、10マイル先まで道路が赤くなっている。別のルートを使うことも出来ず、じっと我慢すること45分。出端をクジかれるとはまさにこのこと。朝から波乗り三昧だっただことも手伝い、どっと疲れが押し寄せてくる。
気を取り直して、10号線から15号線に乗り換え、ラスベガスまでの一本道を直走る。真っ暗闇の中、直進あるのみ。『魁!!男塾』名物、直進行軍のごとく突き進む。山を越え、谷を越え、一本道をひたすら突き進む。
ラスベガスまでの距離は体温が教えてくれる。灼熱のラスベガスは深夜でも気温が37℃。THE砂漠。一方、ロサンゼルスの深夜の気温は17℃。ラスベガスに近づくにつれて、車内の気温がどんどん上がってゆく。羽織っていたパーカを脱いで、エアコンをONにして、水をガブガブ飲みながらラスベガスを目指す。
直進行軍を続けること1時間、闇夜に光る妖しい月を発見。
とっても妖しい。とっさにハイウェイを降り、カメラを手にする。
三脚を持っていないが、車のボンネットにカメラを固定して何度かシャッターを切ってみる。アングルを変え、設定を変え、シャッターを切る。
デジカメのモニターで画像をチェックしているとき、背後に気配を感じる。ハイウェイパトロールのヒゲ親父が登場。
ヒゲ 「こんな夜中にここで何をしている?」
俺 「写真を撮っている」
ヒゲ 「何の写真だ」
俺 「月夜」
ヒゲ 「見せてみろ」
俺 「どうぞ」
ヒゲ 「なかなか良い写真だな」
俺 「ありがとう」
ヒゲ 「この辺は危険動物が多いから、すぐに立ち去れよ」
俺 「はい、今すぐ立ち去ります」
こんな些細なやり取りだが、深夜の高速道路わきでサーチライトに照らされた尋問だと、緊張感が半端じゃない。ここで殺されても、外交官黒田は助けにきてくれないだろうし。何より、アメリカの警察官の威圧感は凄まじい。彼らは危険を察知すれば迷わず「撃つ」。日本の警察官は滅多に「撃たない」。大きな違いだ。
ヒゲ親父の忠告に従い、ハイウェイに乗って再びラスベガスを目指す。
到着予定時刻は26時を過ぎるだろう。
直進行軍は続く。