HOME  >  BLOG

Shop / Brand Blog

小嶋享County Line Showroom代表元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。www.countyline.jpinspirationla.com

California Love

小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。

www.countyline.jp
inspirationla.com

Blog Menu

ヨセミテ便乗

2011.09.02

このエントリーをはてなブックマークに追加
フイナム今月号にヨセミテ特集が組まれているので、便乗してみました。

ヨセミテはカリフォルニア州シエラネヴァダ山脈にまたがる国立公園。
氷河に浸食された深さ1000m、幅1600m、長さ11kmのヨセミテ渓谷を中心に、大漁の雪解け水が流れ出すダイナミックな滝、切り立った岩山、ジャイアントセコイアの大木など、大自然が織りなす雄大な景色が魅力だ。

ヨセミテ国立公園までのアクセスルートは主に2つ。
一つは、サンフランシスコ方面からハイウェイ120号線を東に向かい、公園西側のウエストゲートから入場するルート(約300km/4時間)。
もう一つは、ロサンゼルスからフレズノを目指して北上し、ハイウェイ41号線に乗り換えて公園南側のサウスゲートから入場するルート(約400km/5.5時間)。

41号線ルートを使うと、こんな素敵な景色に出会うことができる。
_MG_9294.JPG

筆者がヨセミテを訪れたのは7月。
いつも通り何の計画も立てずに、見切り発車でLAを出発。もちろんホテルの予約など取っていない。毎度のことながら考えが甘かった。。。

5〜9月はシーズン最盛期。アメリカの夏休みとモロに重なってしまい、宿もキャンプ場もソールドアウト。入場料を支払って意気揚々と国立公園に入ったはいいが、宿は確保してない。情報もない。現金もあまり持っていない。ないない尽くし。あるのは毎秒ごとに増える不安のみ。トイチの金利のごとく、不安は雪だるま式に増えてゆく。

iPhoneは持っているが、電波がほとんど入らない=使い物にならない。
ここは初心に戻り、足で聞き込みを開始。ビジターセンター、ガソリンスタンド、気のよさそうな警備員の親父など、片っ端から声を掛け、宿・キャンプ場情報を収集する。ガソリンスタンドのおばちゃんには「サンフランシスコまで戻らないと宿はないよ、ウッシシ」と他人事100%のコメントを浴びせられる。最悪のケースが頭をよぎる。車中泊 or 日帰り。強引に誘った今回の旅のパートナー、Mr.ハンサムの顔色が曇り出してきた。「話しが違うでしょ」という心の声が聞こえてくる。まずい。

西へ東へ南へ北へ、2時間の宿捜索の末、奇跡的に宿を確保! ホテルのロビーで事情を空室状況を確認しているときに偶然キャンセルが出たらしい。ミラクル! こうしてヨセミテ最古のアンティークなホテルの一室を確保。Mr.ハンサムのテンションも戻ってきた。
_MG_9300.JPG
部屋はクィーンベッドが一つ。風呂、トイレは共同。ベッドは一つしかないが贅沢は言ってられない。どちらかが床に寝ればいいだけ。雨風凌げるだけでもマシ。とりあえず難題は解決した。

さて、気を取り直して観光。
まずは滝のごきげんを伺ってみる。落差610mのブライダルベイルの滝。
_MG_9309.JPG
すごいね〜、迫力あるね〜。宿が決まるとテンションも上がるね〜。

はい次。
ミラーレイク。その名の通り鏡のような湖面に岩山が映し出されるヨセミテの顔。
_MG_9325.JPG
ここだけの話し、真夏だったので湖がだいぶ干上がっていて、沼というか水たまりのような印象だった。5,6月はとても綺麗な景色が湖面に映るらしい。7,8月は沼感が否めないのでお薦めしない。

次に向かったのは、ヨセミテ渓谷を一望出来るグレイシャーポイント。雄大すぎて言葉が出ない。宿を確保できずに右往左往していた自分が小さく見える。
_MG_9340.JPG
ここからはハーフドーム、エルキャピタンなど世界中のロッククライマー達が集まるヨセミテ渓谷の全景を眺めることができる。岩肌に腰を下ろしてぼーっと景色を眺めていると、背後から「すいません」と日本語で話かけられる。振り返ると、いかにもロッククライマーといった佇まいの男が一人。

彼 「すいません、写真を撮ってもらっていいですか?」
Mr. ハンサム 「いいですよ。シャッター押すだけでいいんですよね」
彼 「背後のハーフドームがこのあたりにこのぐらいの大きさ入る感じで。ちょっと下から煽り気味で。僕はここにこんなポーズで立ちますから。」
Mr.ハンサム 「はい、分かりました(苦笑)」

そのやり取りを冷ややかに見つめる俺。「こいつ、やけに注文が多いな(心の声)」。
写真の撮り方教室を一通り終えると、片足で崖っぷちに立ち、プルプルしながら「早く撮ってください」と言う彼。

雄大な景色が一転、異様な光景に。

廻りで見ているアメリカ人観光客がクスクス笑っている。「日本人は写真を撮るときに片足で立つ」という都市伝説が全米に広まらないことを祈る。

_MG_9392.JPG
ヨセミテいいとこ一度はおいで。でも、クマちゃんが多いから、食べ物の扱いには気をつけて。あと、片足で立って写真をせがむ、怪しいロッククライマーにも注意して。