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小西康陽音楽家NHK-FM「これからの人生。」は毎月最終水曜日夜11時から放送中。編曲家としての近作である八代亜紀『夜のアルバム』は来年2月アナログ発売決定。現在、予約受付中。都内でのレギュラー・パーティーは現在のところ、毎月第1金曜「大都会交響楽」@新宿OTO、そして毎月第3金曜「真夜中の昭和ダンスパーティー」@渋谷オルガンバー。詳しいDJスケジュールは「レディメイド・ジャーナル」をご覧ください。pizzicato1.jphttp://maezono-group.com/http://www.readymade.co.jp/journal

小西康陽・軽い読み物など。

小西康陽
音楽家

NHK-FM「これからの人生。」は毎月最終水曜日夜11時から放送中。編曲家としての近作である八代亜紀『夜のアルバム』は来年2月アナログ発売決定。現在、予約受付中。都内でのレギュラー・パーティーは現在のところ、毎月第1金曜「大都会交響楽」@新宿OTO、そして毎月第3金曜「真夜中の昭和ダンスパーティー」@渋谷オルガンバー。詳しいDJスケジュールは「レディメイド・ジャーナル」をご覧ください。
pizzicato1.jp
http://maezono-group.com/
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what are you doing this week end?

2011.07.27

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かつて、『SUB』、という雑誌があって、その季刊4号、というのを中学2年生のとき、渋谷の大盛堂書店の1階で買った。雑誌とは謳っているものの、毎号、判型の変わる不思議な本だった。この第4号はペイパーバックの形をしていて、特集は「情報のカタログ メッセージはメディアである」、というものだった。
 
当時、中学生だった自分がこの一冊を手に入れたのは、その号の真ん中辺りに、写真家の浅井慎平とイラストレイターの湯村輝彦が組んだ特集が全18見開き、36ページにわたって掲載されていたからだった。
 
その特集の通りタイトルは
 
what are you doing this week end?
 
<週末は何をするの?> というもので、ページを開くと左側には<with WHISKY>と一言だけ、そして右側には湯村輝彦の描くイラストでウィスキーのボトルの絵が置いてある、という、何とも贅沢な遊びのページだった。
with WHISKY
with BEER
with CIGARETTE
with TOBACCO and PIPE
with ASH TRAY and MATCH
 
ここで浅井慎平の写真による見開きがあって、再び次のページから
 
with TRANSISTOR RADIO
with TELEVISION
with MAGGIE
with TOM
with BLOODY MARRY
with BUBBLE GUM
with SHOWER
with RECORD
with PALM TREE
........and
 
という具合に展開する。全てのページが湯村輝彦のイラストをあしらっている訳ではなくて、<with MAGGIE>、というページにはやはり浅井慎平による女性の写真が、<with TOM>、というページには無署名であるが、たぶんやはり浅井慎平による文章がページの中央に箱組みでレイアウトされている。
 
だが、いちばん印象的だったのは<with RECORD>、と書かれたページで、そこでは左側ページに小さな活字で45枚のレコードのタイトルとレコード番号のリストが掲載されているのだった。
 
いまでこそ、DJや音楽家による、好きな楽曲を並べたチャートとか、リストというものを普通に目にするのだが、ヒット曲の売り上げのチャートでも、単独のアーティストのディスコグラフィーでも、レーベルのカタログでもない、順不同の、ただの好きなレコードのリスト、という物を見たのは、自分にとっては初めてのことだった。
 
たぶん、浅井慎平のお気に入りだったのだろう、ジャズやロックやブルーズやクラシックのLPを無作為に並べたこのリストの、最後の11枚は全てスウィート・ソウルのアルバムで、これは間違いなく湯村輝彦さんの趣味なのだろう。その後、「愛と憎しみの小部屋」を初め、沢山見てきてはその度にワクワクした湯村さんのソウル・ミュージックのリスティングの、これは自分にとって最初の出会いだったのだと思う。

 
この<サブ季刊4号>、そして他の号も、どれも見て面白い本なので、集めてみる価値はある。そう書いている自分も、持っていない号があるのだが。<季刊サブ>6号は、「朝日のようにさわやかに・WESTCOAST '73」、という副題を持つ大判の一冊で、この号にはやはり不思議なレコードのページがあって、ジャケットも掲載されていた。いま、この文章を書く為に見直したい、と思って探したが、あれほどの大判なのに出てこない。それは以前、ムッシュかまやつさんから譲り受けた一冊で、たしかムッシュも何か書いていた。まさにそのレコード・ジャケットのページがムッシュによるものだったような気もするが、とにかく見てみないとハッキリしない。
 

 
さて。ここまでの話は枕なのでした。夏休み気分なので、自分も好きな曲ばかりを無作為に並べたリストを作って、ここに掲載したい、と考えたのだった。
 
出来れば、全てシングル盤で持っている曲にしたかったが、7インチでそれを所有しているかどうか、確かめていたら、気軽に選ぶことはできなくなってしまう。だから、<たしかシングル盤で持っていたはず>の、<夏に聴きたい50曲>のリスト、ということで。70年代の曲が多いのと、ソウル・ミュージックが多いのは、どちらも<季刊サブ>4号のリストの影響だと思ってください。
 
このリストの50曲を考え、タイプするのに、約一時間掛かった。アルファベット順に並べ直すのに15分、さらにスペリングのミスをチェックするのに、やはり15分ほど掛かった。だが、1曲が約3分だとして、ユーチューブで検索すれば、たぶん全て出てくるだろうが、全て聴くには150分掛かるはずだ。さらに家の棚からレコードを探して揃えるには丸一日掛かるだろう。だから、そんなことはせず、知っている曲ならば、頭の中で再生するのが理想的だし、時間も掛からない。知らない曲は、自由に想像してくれるほうが嬉しい。では、リストをどうぞ。
 
Rance Allen Group/(there's gonna be a)showdown
The Blackbyrds/walkin' in rhythm
Buffaro Springfield/rock'n'roll woman
Captain & Tennille/the way I want to touch you
Dennis Coffey/scorpio
Cornelius Brothers & Sister Rose/too late to turn back now
Earth, Wind and fire/shining star
Jonathan Edwards/sunshine
Percy Faith orchestra/theme from the summer place
Roberta Flack & Donny Hathaway/where is the love
The Four Seasons/who loves you
Grand Funk/sally
Al Green/let's stay together
Hamilton, Joe Frank & Reynolds/don't pull your love
Brenda Holloway/you've made me so very happy
Honey Cone/want ads
The Intrigues/the language of love
The Intruders/love is just like a baseball game
The Isley Brothes/that lady
Jackson Five/dancing machine
Jamestown Massacre/summer sun
Elton John/daniel
Syl Johnson/different strokes
Kool & The Gang/chocolate buttermilk
Nicolette Larson/lotta love
Dandy Livingstone/big city
The Looking Grass/brandy
Paul McCartoney & the wings/listen to the man said
The Moments/sexy mama
Mungo Jerry/in the summertime
Ohio Players/fire
Freda Payne/the band of gold
The Pointer Sisters/bring your sweet stuff home to me
The Persuaders/thin line between love and hate
The Presidents/5-10-15-20-25-30(years of love)
The Rascals/lucky day
Redbone/come and get your love
Rufus/tell me something good
Runt/we gotta get you a woman
Seals & Crofts/summer breeze
The Spinners/could it be I'm falling in love
Sly & The Family Stone/hot fun in the summertime
The Staple Singers/heavy makes you happy
starbuck/moonlight feels right
Steely dan/rikki don't lose that number
Sugar Billy/super duper love
Frankie Valli/swearin' to god
War/all day music
Bobby Womack/check it out
Stevie Wonder/boogie on reggae woman
 

 
ところで。
 
前回のブログの文中に書いた、PIZZICATO ONEのアナログ盤というのが、もうすぐ発売になる。これは自分にとって、ただ新しいCDのアナログ・ヴァージョン、という以上の意味を持っている。この作品の40分、という時間を、ぜひアナログ・レコードで体験して欲しいのだ。
 
売れても利益が出る訳ではないが、もちろん売れなければ赤字が出る。自分の会社で作っているのだから、もちろんコストも把握している。
 
ご興味ある方は、こちらを。8月3日発売予定です。