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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日の1足

2010.06.24

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シューズで保護されすぎた足は徐々に本来持つ機能を退化させる。NIKE FREEを始めとして「人間の足が持つ本来のパフォーマンス」を覚醒させるフットウェアが発表されているけど、Vibram Fivefingers(ビブラムファイブフィンガース)もそんなブランドのひとつ。その名のとおり五本指が分割されたつま先を持ち、足指が自由に動かせる構造となっている。
足指の感覚が戻ると足腰やアーチが強化され、バランス感覚や俊敏性も向上するという。

今回トライしたのはランニング対応モデルのスピード。最初に履こうとすると指がそれぞれの位置に収まらない。何度トライしても指二本が一つのポケットに入ったりと、いかに足の指の感覚が麻痺しているかの証明かもしれない。通常の構造のシューズを履いていたら足の指を動かすなんてことはないのだから。数分をかけてようやく履き終わると、まずはその軽さと開放感に驚く。スポーツジムのトレッドミルでトライし、時速5.5kmからスタート。歩行段階では足裏で地面を掴むような感覚がダイレクトに伝わる。徐々にスピードを上げ、時速7.2kmでジョグする段階では前足部からの着地へと自然に移っているのに気付く。裸足感覚のミッドソールの無いクッション機能を期待できない構造では、これが最良のフォームであることは少しランニングしたことのある人なら理解できると思います。初日は時速8kmまでスピードを上げ、5kmの距離を走って終了。2回目は時速9.3kmまでスピードを上げたけど、明らかに今まで使用していない筋肉に刺激が与えられ、筋力アップになったような気が...。それと足の指の可動域が広がったのを感じられました。

行儀悪いけど「これならいろんなものを足の指で掴めそうだな」。そんなことを考えていると、昔ベッドの中に入ると必ず足の指でふくらはぎをつねってくる女の子がいたことを思い出して胸がキュンとなっちゃいました。


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アメリカのベストセラーで、日本でも翻訳版が出版されて話題となっている「BORN TO RUN」にもVibram Fivefingersが登場しています。ランナー及びスポーツシューズ関係者は必読の書だと思います。ただしスポーツシューズに関する記述では同意しかねる部分もいくつか。あるブランドを攻撃する箇所は、あるタイプの人には真実かもしれませんが、ちょっと極論だなと感じました。でもホント面白い内容ですよ。読み終わったあとは自然の中を走りたくなったし。

44歳の経験論(10)

相手との愛情の温度差を感じて一人涙したこともあるし、涙させたこともある。

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