HOME  >  BLOG

Creator Blog

南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

Blog Menu

今日のレース@湘南

2011.01.25

このエントリーをはてなブックマークに追加

DSC00237.JPG

2009年の4月、行田鉄剣マラソンでハーフマラソンを1時間45分台のタイムでゴールしたときに、「これでフルマラソンに挑戦しても、4時間以内でゴール出来るだろうな」と簡単に思っていました。最初に挑んだフルマラソンは2009年10月のポートランドマラソン。途中路面の凹みに足を取られ、捻挫するアクシデントもあり、さらに途中全身が痙攣したりしつつも、なんとか5時間2分台でゴール。フルマラソンはハーフマラソンと全く違うことを思い知らされました。翌月には湘南国際マラソンに出場し、この時は一度も歩かずに完走するも、ペースを抑えすぎて4時間47分台でゴール。土砂降りのなか走った東京マラソン2010は4時間40分台、同じく土砂降りだった2010年のポートランドは4時間31分と、なかなか記録が伸びず、フルマラソンの壁にぶち当たったのです。
そんな状況に一筋の光明が射したのが2010年12月のラスベガスマラソン。4時間13分でゴールし、「サブ4行けるんじゃないか!?」という気持ちになりました。

じつはポートランドマラソンを走り終えるまで、毎日走るようになった2007年の11月以降、スポーツジムのトレッドミルで4~5km走るのが日課になっていたのを、ポートランドから帰国後は雨の日やスケジュールで難しいとき以外は屋外を走るように変更しました。といっても5kmですが。それでも屋内を走っていたときとは大違い。明らかにフォームが固まって、脚力も付きましたね。それがラスベガスの好結果に繋がったかと。

というわけで、今回の湘南国際マラソンは、周囲にも「サブ4狙ってます」宣言し、自分にプレッシャーを与えました。ただ、このプレッシャーのせいで前日は眠れない、眠れない。多分熟睡したのは2時間程度。でも、このときホテルのベッドでずっと考えてたのは、「4時間切れなかったらどうしよう?」というネガティブな思考じゃなくて、「4時間切ったらどうやって喜ぼう?」っていう分けわかんないポジティブな発想で寝られない。まさに捕らぬタヌキの皮算用。ゴルフの前の日もいつもそうなんです。「明日100切ったらどうしよう」みたいに。

当日の天気は晴れ。最高気温予想も10度前後ということで絶好のマラソン日和。先週のレースが極寒だったように、こんなにパーフェクトなマラソン日和はなかなかありません。このレースはスタート順が決められていて、自分はDだから4番目の出走。10分遅れくらいでスタートし、始めから5分30秒ほどで走ります。理論上はkmあたり5分41秒平均で走れば、約4時間でゴールできるけど、後半失速することを考えて、行けるところまでkmあたり5分20秒~5分30秒で走るというのが今回の作戦。中間点は1時間55分ほどで通過。23kmあたりで右膝が「ピキッ」と痛むけど、ダマシダマシに走っていると何とか痛みは治まり、その後もkmあたり5分20秒ペースでどんどんペースを刻みます。30kmの通過も2時間42分ほどと好調。西湘バイパスの高架を上るあたりから少しペースが落ちるも、なんとか踏ん張りましたが、ゴールの横を通過してから最後の折り返しまでが長いこと、長いこと。一度ゴールエリアを通過していると、もうゴールに着いたような気になっているのに、実際はまだまだ距離はあるというギャップが苦痛を増大させるという、心理的に本当にタフなコース設定になっていて、去年もそうだったけど、このエリアは心が折れて歩いている人が多い。そんな光景を目にしつつ、折り返し点を過ぎると、最後の給水所があります。ここでゲータレードを飲み干してゴールを目指します。ここからゴールまでの2.5kmほどの距離も相当に長く感じられました。残り500mくらいで右膝が再び痛み始め、ゴール前の最後のらせん状の坂は苦痛に顔をゆがめながら上るも、ゴールは笑顔でフィニッシュ。GARMIN 405のタイムは3時間56分10秒。念願のサブ4達成です。今月31日で45歳を迎えるいい大人なのに、このときばかりは少し涙が流れました。

考えてみたら、長距離走は中学の1,2年の体育では陸上部の長距離組を除くと一緒に体育の授業を受ける2クラス分の男子では一番速かった。ただし持久走が好きかというと、全く逆で、できることならサボりたかったというのが本音。ひどいフォームで体育の先生に、「そのフォームでよくそんな速く走れるなぁ」と言われてたし。根性で走るというか、単なる負けず嫌いだったんでしょう。大人になると好きなことをするのはもちろん楽しいけど、得意じゃないことを克服するも楽しいということも感じますね。それもこれも可能なのは、頑強な身体を与えてくれた両親のおかげ。本当に感謝しています。

これからも走ることは続けていきますが、これまで通りに走っているだけでは記録は伸びないでしょう。インターバルトレーニングやLSDのようなプログラムも取り入れたほうがいいのかも知れません。今回の記録達成には月一回一緒に走っているメンバーの助言も大きかったし。ただし忘れたくないのは「楽しく走る」ということ。記録だけに固執せず、これからもライフスタイルの一部としてランニングと付き合っていこうと思っています。


DSC00238F.JPG

当日は気温を含めて最高のマラソン日和。湘南の海がキレイに見渡せました。


DSC00242F.JPG

今回の42.195kmの相棒。ルナグライド+の日本未発売のホワイトカラー。今大会でもセカンドモデルを含めて履いているランナーが多かったですね。


44歳の経験論(38)

走り始めて3年ほどのランナーが練習のペースと比較して、かなり速く走れるのがハーフマラソン、練習のペースをキープするのも難しいのがフルマラソン。

※コメントは承認されるまで公開されません。