履けばわかるさ、着てもわかるさ
南井正弘
Freewriter&Sneakerologist
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。
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今日の1足
2012.03.18
デサントといえば日本を代表するスポーツウェアブランド。'90年代末期までアディダスの日本国内代理店であったことを知っている人は少なくないはず。そういえば自分が中学時代のバレーボール部のユニフォームもデサント製でした。
そんなデサントですが、アパレルだけでなく、アディダスのディストリビューションを長年経験し、日本企画のプロダクトも存在しただけに、社内にはスポーツシューズつくりのノウハウも蓄積され、現在も継承されています。そんな同社のノウハウとバルセロナ五輪 競歩日本代表の園原健弘氏の理論が高次元で融合したのが、MEF-RUN UC。
このシューズはシーソーの構造を想起させる独自のソールユニットが「力学的エネルギー流動」、すなわち着地から蹴りだしまでのエネルギーの流れを止めずに促進させることによって、前方に楽に進むことを追求しています。実際に履いて走ってみると、効率的なランニングフォームが習得でき、自然と足が前に出る感覚。それでいて身体の後ろ部分の筋肉がしっかりと鍛えられている気がします。このシューズを履くようになってから、大腿筋や大臀筋といった大きな筋肉を使って歩いたり、走ったりする意識がついたことから、走り終わったあとの疲労が確実に少ないですね。
初心者ランナーには楽に走れて疲労も少ないから、いままで「走り始めても三日坊主で終わっていた」という人にこそぜひ試してほしいし、中級ランナーで足の前部が疲れていた人には、このシューズを履いて走ると、大きな筋肉が集中している足の後ろ側が鍛えられることから、効率的な脚力の向上が期待できると思います。
シューズで気付いたところがあったら園原さんに連絡しようと思っていましたが、お世辞抜きに機能性が高い。デザインやカラーは個人の好みがあるから別にして、現在シェアの高いブランド以外にも優れたランニングシューズがあることを実感したプロダクトでした。
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