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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日の1足

2012.12.15

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シューズにバネというと、今回も都知事選に立候補している世界的な発明家のドクター中松氏が開発したジャンピングシューズを思い出すかもしれません。これ以外にもスプリングをシューズに内蔵させるアイディアはいくつものブランドがトライし、実際に発売されましたが、機能的にもトップアスリートが着用できるレベルになく、販売面でも成功には程遠いものがありました。

そんなスプリングとスポーツシューズの融合に本格的に取り組み、成功を収めているブランドがSPIRA(スパイラ)で、自分はラスベガスマラソンのエクスポで去年か一昨年に初めて見かけたブランドです。単なるらせん状のスプリングでは安定性に不安がありますが、SPIRAの特殊形状のスプリングは、高い衝撃緩衝性能&反発性能に加えて、抜群の軽量性と安定性も確保することに成功しています。

最新モデルのスティンガー2は、北京五輪で3人のアスリートに使用されたスティンガー エリ-トの後継モデル。前足部に2個、後足部に1個のスプリングを内蔵しており、実際に履いてみると、まず感じるのはサイズUS9で7.8オンス(約222グラム)という軽量性。一方で、最近ミッドフット着地を意識しているので、リーボックのポンプフューリーのようにアーチ部分のミッドソールを廃したデザインは、着地時に多少の不安がありましたが、走り始めると、その心配は杞憂に終わりました。ポンプフューリーよりもアーチ部の隙間が狭く、フラットに着地すれば全く問題なかったです。そしてなんといっても体感できるのが、特殊スプリングによる比類なき反発性能。kmあたり5分ほどの速目のペースで走りましたが、グイグイ前方に押し出されるような感じがして、軽快なストライドで走ることができました。スティンガー2はカテゴリー的にはレース対応シューズとなっていますが、日々のジョギングからスピードトレーニングまで、幅広く使用できる汎用性の高いランニングシューズだと思います。

2007年以降、これまでにスパイラシューズを履いたアスリートは100を超えるレースで優勝していますが、2011年のチューリッヒマラソンではジョン・キャロ・キュイ(ケニア)が2時間10分00秒で優勝。初めて2時間10分以内で走ったスパイラシューズ着用アスリートとなりました。金属のスプリングを内蔵したスポーツシューズはSPIRA以外にも存在しますが、エリートランナーの要望に応えられるレベルにあるのは、SPIRAのみです。

ちなみに日本ではスパイラシューズはまだ取り扱い店が少ないので、こちらなど、通販で購入するのが現実的ですが、自分も出走予定のフロストバイトロードレースなどではブースも展開し、実物を見てから購入することもできるようです。


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