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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日の1足

2013.07.09

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Bouster_evo.jpg

パトリックといえば自分たちの世代はなんといってもアートイス。ブラックにルージュのアクセントカラーを絡ませた感覚はフランスのブランドならでは。「日本やアメリカのブランドには真似できないなぁ」と中学3年生ながら思ったものです。

時代が進み'90年代、スポーツシューズブランドで勤務するようになると、カメイスポーツ(現カメイプロアクト)がパトリックをオペレートしていて、自分たちのペースで販売し、マーケティングできることが本当に羨ましかったですね。なんせ、こちらはシーズン毎に本国から「もっと売れ!シェアを拡大しろ!」と檄を飛ばされていたので。トホホ。後の1998年からは日本国内におけるブランドの商標権を買い取って、より日本市場にあったブランドビジネスを行っています。

さらに時代は進み、パトリックはストリートシーンを主戦場とし、パフォーマンスシューズのイメージはほぼなくなっていましたが、今年に入って、実際にランニングに使用できるシューズがリリースされました。それがBOUSTER EVOLUTION。1985年にMADE IN FRANCEで企画されたシューズをモチーフに、現代のソールユニットを組み合わせたモデルで、ストリートはもちろん、実際にランニングにも使用できるというコンセプトでデザインされています。

履いてみるとパトリックならではのクラシックながら高いフィット感を味わえるアッパーに、新たに開発されたリーボックのポンプフューリーにも似たアーチデザインのソールユニットを合体しており、とにかく軽い。他ブランドのレース/トレーニングモデルレベルの軽量性を確保しています。走ってみると着地から蹴り出しまでのムーブメントもスムーズで、時速11kmくらいまでなら難なく走れます。オーバープロネーションを制御する機能や衝撃吸収テクノロジーは搭載していないので、他ブランドでニュートラルタイプを購入しているランナー向きですが、カジュアルシーンで履きつつ、旅先のランにも使用するといった感じで活用するのが個人的にはベストだと思います。美しいシルエットはパフォーマンスシーンだけに履くのはもったいない気もするので。


Bouster_heel.jpg

この履き口の美しさが日本製やイタリア製のスニーカーの特徴。ヒール部分が「キュッ」と締まってるんですよね。それにしても久しぶりにパトリックのスニーカーを履きましたが、シンプル&ベーシックなのに履き心地は高レベル。まさにMADE IN JAPANの実力ですね。

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