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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日の1足

2013.07.31

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BIOM_EVO_RACER.jpg

eccoは1963年に誕生したフットウェアブランド。他のブランドが自社工場を持たず、契約工場における製造が一般的となっている現在においても、同ブランドは自社工場での製造を続けています。eccoと聞いてウォーキングシューズを思い浮かべるのは自分を含む年齢層が高めの人。最近では機能性の高いゴルフシューズのイメージもあるかもしれません。そんなeccoのシューズで、海外市場において評価が急上昇中なのがランニングカテゴリー。ランナーのタイプやレベルに合わせて様々なプロダクトがラインアップされていますが、特に注目を集めているのがアッパーにヤクという山岳地帯に生息する牛の一種の皮革を使用したモデル。この皮革は一般的な牛皮革よりも3倍の強度を誇ることから、素材を薄い状態で使用することができるので、シューズの軽量化に貢献するとともに、高い通気性とフィット性の確保にも成功しています。

今回ヤクレザーをアッパーに使用したBIOM EVO RACERで走りましたが、一般的なランニングシューズよりも裸足に近いセッティングのモデルで、アメリカ市場で大きなムーブメントとなっているナチュラルランニングのタイプであることをすぐに体感しました。走りながらシューズの特徴を足と脚で理解すると、「どうすればこのシューズで最高のパフォーマンスを発揮できるか?」ということをカラダが自然に反応してくれます。こういったナチュラルランのタイプのシューズはヒールから「ドスン!」という感じで着地するのは禁物。脚全体をバネのようにして着地して、その反作用でストライドを繰り返すようにするのが最善です。そんな感じで走ってみると、着地の衝撃を気にすることなく、グイグイ前進していきます。インジェクション製法のソールユニットは薄手で、必要最小限のクッション性は備えていますが、地面をかなり感じられる設計で、ヤクレザーのアッパーは足を包むような高いフィット性がありますので、シューズが足の一部のような感覚を覚えますね。最近パフォーマンスランニングシューズで天然皮革をアッパーに使用したモデルは少ないですが、このモデルはアッパーにナイロンメッシュを使用したモデルと遜色のない通気性やフィット性を兼ね備えていると思います。このあたりはレザーサプライヤーとして他のラグジュアリーブランドにレザーを供給しているeccoだけのことはあります。eccoのBIOM EVO RACERは、体重が軽めで「自らのパフォーマンスを効率的に向上したい」と常に考えているランナー、シューズにスタイリッシュなデザインを求める人に最適な1足だと思います。


ecco.jpg

この日はこんな感じでパタゴニアのランニングウェアで走りましたが、高級感のあるシューズなので、ウェアは洗練されたブランドが似合います。パタゴニア以外だとノースフェイスやCRAFT、HOGLOFSあたりですかね。

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