迷惑かけてありがとう。 - シックスセンス（シガ アキオ）

　自分でリンクしておいて何だけど、たこ八郎氏の座右の銘、『迷惑かけてありがとう』に今さらグっときた。多かれ少なかれ、誰でも人に迷惑かけて生きている。「ありがとう」という謙虚で素直な気持ちはやはりとても大事だ。簡単なひと言だけど、意外と言えてないなあ。
さて、ケガの治療のため毎日午前中に通院している。しかし、昨日はいつもの担当医ではなかった。カルテを見ながら症状の経過や具合など聞かれ、いつものように抗生物質の点滴を行った。そしてまた患部にガーゼなど施すと、その医者はこう尋ねてきた。
「何か辛いコトあります？」
まあ、生きていれば辛いコトなどたくさんあるが、この場合の意味が違うコトくらいわかる。
「風呂に入れないコトくらいですね」
そう、この何日か風呂もシャワーも浴びていない。患部を濡らすことが厳禁だと言われたので、とにかくそれが何よりの苦痛だった。しかも連日の陽気で。すると、彼はボクの顔を見て言った。
「シャワー、浴びてないの？」
それは、可哀想なのか、汚ねえコイツなのか知らんがともかく驚いた様子。
「はあ、担当の先生にしばらく我慢しろって言われたもんで」
彼は、あちゃーって顔しながら言った。
「じゃ、シャワー浴びれるように、患部に防水シート張ってあげるから、帰って浴びなさい」
「・・・・・。」
おい、おい、そんなんあるなら最初からやってくれや。つーか、問題はいつもの担当医だ。昨日はワ～カメすきすきーの故・石立鉄男似のおっさんだったけれども、本来ボクの担当医は目元が黒木瞳似の美しい女医さんである。まあ、早朝から毎日いそいそと検診に向かうのもそのおかげだが。とーぜん、先日の手術も彼女が行った。
その帰り道に気が付いた。そうだ、これはプレイだ。そーいえば手術中もイマイチ麻酔の効いていない傷口をグリグリされつつ、「痛かったら言ってくださいネ」つーから、「スゲー痛いです」つっても、「ガマンして」のひと言。痛みに歪むボクの顔を見る黒木瞳似の冷静な瞳の奥は、きっと笑っていたに違いない。スーパー・ドＳの美人女医。シャワーを浴びさせないのもメニューのひとつか。
で、本日、また黒木瞳先生だった。とーぜん防水シートは張ってくれない。ありがとう。