ばかタバコ。 - シックスセンス（シガ アキオ）

　何をいまさらって気がつきゃもう２月。そーいえば雪降りましたねってもうとけちゃってるし。ニュースだと二年ぶりだとか言っていて、でもその記憶ってあんまり無くて、思い出すのはさらにもっと何年も前の大雪の日。たぶん６、７年前とかもっと昔になるのかな。

その雪はたしか昼前あたりから降り始めたはずだけど、仕事が終わる夕方にはかなりの勢いで積もっていた。その頃はスタイリストとしてハッスル（現ライノ）に所属してたので、現在もそのままである代官山の事務所から、当時住んでた品川のマンションまで帰ろうと車を走らせていた。

でも、東京で雪を見る機会もあまりないし、ワクワクする気持ちもあってか、何故かその日にかぎって別の帰宅ルートを選択した。いつもどおり八幡通りから槍ヶ崎交差点を下りきってしまえば、あとは山手通りをまっすぐ。なのに何故か手前の「まえだや」のある細い路地を左折した。ここは山手通りの混雑を予測するとき使うコースで、そのまま目黒川沿いを抜ければ大崎あたりまで出られる。

でもなんで“そっち”だったか。山手通りに出れば、他車の通りで雪などぐちゃぐちゃで普通に帰れたはず。たぶんそれは、新雪の上を行きたい、というスノーボーダーの心理に近い。

そんなふうだから、あとはもう自分でもよくわからず、気が付けば目黒駅のアトレのビルの脇道に進入しようとしていた。じつはその先にはけっこうな急勾配の坂がある。どのくらいかって西郷山公園脇の急坂くらい。もうそうなってくると、ボーダー心理というより完全なるプレーヤーだ。

ところで、その頃ボクが乗っていた車は６７年のシボレー・インパラという馬鹿丸出しなクルマで、２ドアのくせ長さが６メートルもあるヤツだったけれども、ただでさえ重くて止まらないその車で、その雪の坂道である。

「この坂下れちゃうかなあ」というワクワクした気持ちは、想像以上に角度のついた真っ白い坂道に怖気づき、心に急ブレーキはかけたけれども、車は急には止まらなかった。６メートルの巨体が面白いくらいくるりと回転しながら坂の下まで滑って落ちた。結局壁にぶつかり止まってくれたけれども、以来雪道にはかなり慎重になった。そんなわけでみなさん気をつけて。

さて、先日の日曜日、俳優をやっている友人のお見舞いに行ってきた。突然のことで驚いたが、以前ボクもやったことがある“気胸”という肺に穴があく病気で入院したそうだ。

気胸ってのはタイヤがパンクするみたいに何の予兆もなくある日突然やってくるが、その原因てのがいまいちはっきりしない。医者が言うには“なりやすいタイプ”というのがあって、「背が高く、痩せ型の男性」だそうで、ボクには当てはまらないが彼にはまさしく。ちなみにここのブログに居るムロも以前患ったことがあるが彼もそーゆータイプだ。

で、訪れた病室の彼は元気そうで何よりだった。ボクもだったが術を施した後はなんてことはない。医者には安静にと言われるだけで身体の何処が痛いわけでもないから元気が有り余って仕方ない。だから彼はその日からタバコを吸いはじめたと言うのだが、それってすごい。

ボクは気胸でタバコを止めた。それ以前から禁煙すると言ってはいたが陰でだましだまし吸っていた。ちなみに、気胸になるとまず左右二つある肺の、穴が開いてる方の脇腹を手術で切開して肋骨のすき間から管を入れる。それで肺から漏れた空気を外に逃がしてやる。すると風船のように肺がまた胸の中で膨らむ。けれども当然、身体はその胸に差し込まれたプラスチックの管と空気を吐き出す機械とで繋がれたままだ。

なにもタバコと気胸の因果関係がはっきりしてるわけじゃない。それよりも、ボクはその状態でタバコを吸った場合、自分の胸から伸びてるこの透明なプラスチックの管から煙がプハーと出てくるんだよな、と考えたら吸えなくなった。自分の身体のメカニズムがリアルに感じられて気持ち悪かったのだ。

だからすごい。というか馬鹿。煙草バカというとなんかカッコイイからバカ煙草。日本語って難しいね。釣りバカはすーさんでもバカ釣りじゃ映画になんないか。ファッションバカは嫌いでもバカファッションは好き？じゃ俳優バカでなくバカ俳優だね。うん、なんかいい。

昨夜テレビで見かけた別のバカ俳優。

昨日気になったニュース「ツングースカ「謎」現象に新説」
これは今から１００年くらい前（１９０８年６月３０日）にロシアのツングースカという森に巨大な隕石が墜落するという事件があって、ただ８０００万本の森の木がなぎ倒されたといういくつかの写真や証言があるだけで、実は詳しく落ちた場所すらもわかっていない。かなり重大な事故だったにも関わらず、当時はロシア革命や第一次世界大戦の直前で国自体がそんな事に構ってられなかったからだそう。そんなわけで詳しく調査が入ったのはそれから２０年後の１９２７年。だから謎だらけ。

偶然辿りついたリアルロックのＨＰで、若かりし自分を見つけ少し笑った。