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隣人。④
2008.03.25
窓の外の桜はすっかりと見ごろを過ぎ、青々とした葉桜になっている頃だ。
多摩川のジョギングから帰るとシャワーを浴び、いつものようにテレビをつけた。いつものサングラスの司会者がいつものように誰かと喋ってるからつまりちょうど昼時だけど、朝食は遅めに摂ったばかりだし、走り終わった直後で喉は渇いても食欲はあまりなかった。だからいつものようにリビングの窓際に仁王立ちすると右手でペットボトルを持ちミネラルウォーターをがぶ飲みした。左手は腰。つまり銭湯の湯上り牛乳スタイルだ。
すると、隣のお姐さんが庭を横切り屋敷から出て行くのが見えた。
朝のジョギングはいつもコースが決まっていて、多摩川の土手を河口(東京湾)方面へ下り、多摩川大橋を渡って対岸の神奈川側の土手を折り返してくる。距離にするとだいたい12キロ程だ。それを1時間くらいで走って帰ってくる。走る支度やシャワーなど前後の時間を考えても約2時間。その間、お姐さんはどんな用事でずっと屋敷の中に居たのか。
それからというもの、お姐さんのそーゆー姿を何度も見かけるようになった。なったとゆうかボクがその行動に気づいただけで、もっと前からそうだったかもしれない。が、ともかく週にニ、三回は朝コツコツのギイーである。
しかしもっと変なのは、ばあさんの姿がない。毎朝、庭の掃き掃除してる姿は見るが、それ以降夕方まで姿を現さない。むしろ屋敷の中に居る気配すらしない。となると、昼間はじいさんとお姐さんの二人きりってことか、、、。ははん、やっと合点がいった。なるほど、そーゆーことね。
<つづく>
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