HOME  >  BLOG

Creator Blog

シガアキオスタイリスト97年、まだ若く鬼のように恐ろしかった蔡社長とメッケ隊の元、ハッスル(現ライノ)でアシスタント兼なんでも屋(人殺し以外)として過ごす。99年、約 1年半という業界では伝説のスピードで独立。06年、仏のようなスタイリスト古田氏らと共にチェルシーフィルムズ創設に携わる。しかし、根っからのB型の 故、集団生活は無理だとわかり、10年、office sixsenseを立ち上げソロ活動に入る。72年7月4日生まれ。現在2児のパパ。

シックスセンス

シガアキオ
スタイリスト

97年、まだ若く鬼のように恐ろしかった蔡社長とメッケ隊の元、ハッスル(現ライノ)でアシスタント兼なんでも屋(人殺し以外)として過ごす。99年、約 1年半という業界では伝説のスピードで独立。06年、仏のようなスタイリスト古田氏らと共にチェルシーフィルムズ創設に携わる。しかし、根っからのB型の 故、集団生活は無理だとわかり、10年、office sixsenseを立ち上げソロ活動に入る。72年7月4日生まれ。現在2児のパパ。

Blog Menu

シャバい話。

2008.12.08

このエントリーをはてなブックマークに追加

 部屋がくさい。昨朝、奥さんからそう言われた。ボクが書斎に使っている部屋だが、一旦リビングに出て深呼吸し戻ると、確かにくさい。ほのかにオナラみたいな臭いだ。


近頃、作業に疲れて書斎のソファにそのまま倒れて寝てしまうことが多い。コイツはいよいよ加齢臭てヤツかと、素直にあるがままの自分を受け入れようともしたが、んなはずない、と、諦めきれない若ぶった自分もまだ何処かに居て、クンクン、その臭いを探りはじめた。


するとどうやら臭いの元はソファじゃない。脱ぎ捨てた服も洗濯籠に放りこんでみる。それでも依然として臭う。もう一度よく部屋を見渡し、何気なく物置の扉を開けた。プ~ンとまるで温泉のような鼻を突く硫黄臭。あーこれだ、オナラの臭い。でも何故。


その書斎の一角にある半畳ほどの物置の中には、ボクの身長より高く、直径1メートルもある大きな貯水タンクが鎮座している。わが家の温水は電気化されており、その巨大電気式保温タンクに溜まったお湯が台所や風呂から出てくる仕組みになっている。かといってオール電化というわけでもなく、コンロはガスだし、一体何がしたいのかよくわからん中途半端なシステムだ。


兎に角、そんな物がそんな所にぶっこんであるが、収納場所がひとつ潰れる上、臭うってんだから頭にくる。硫黄臭いって温泉でもないだろうし(だったら嬉しいよ)。んなわけで、さっそくメーカーにクレームの電話をしてみた先週末、みなさんいかがお過ごしでしたか?


しかし、なんだがおかしな陽気が続いている。数日前の暴風なんて木枯らしというより春一番だった。そしてまた厳しい寒さがぶり返す。こんなんじゃ誰だって体調を崩す。うちの息子も先週から風邪をこじらせまだゴホゴホいっている。体が資本のこの商売、家の中でもマスクは必需品である。


ホンダがF1から撤退するという。経営再建を考えれば年間500億円かかると言われるこのレース参戦は、リストラより何より一番最初に選択せねばならない問題だったかもしれない。けれども、フェラーリにもはや勝てないと、契機に便乗してうまく逃げ出したという見方もある。どーせならそのプライドにかけ、最後っ屁くらいかまして欲しかった。


あとは先週の蔡さんのブログを見て。確かにそう思う。フリーランスの職業というのは何の保証も無い仕事である。どんな肩書きであれ、結局のところ日雇い労働者と何ら変わりは無い。病気で倒れたり、体が自由に動かなくなれば、ハイ、それまでよ、という刹那である。けれども、そんな事は初めから分かって選んだ道である(少なくともボクは)。


単純に金を稼ぐ方法と考えればあまりおいしい仕事とも言えない。ボーナスも退職金も有給もないし、生涯通して計算すればサラリーマン以下かもしれない。でも、そんなマットーな思考回路の持ち主なら最初からそんな選択もしない。つまり、出来なかっただけの事だ。ろくな学歴もないクルクルパーが感性や一芸でやっていく仕事。そもそもそんな話がナンセンス。芸能人、ミュージシャン、スポーツ選手、皆同じだ。老後の心配が許されるのは、せいぜいその子の親くらいでいい。


そういうボクの親もスタイリストなど水商売と一緒だと言って未だ認めてはくれない。10年やって認めないのだから、20年やっても同じだろう。どんなに稼ごうが有名になろうが、ガチガチの頑固頭でガチガチの仕事をやってきたオヤジには、何だって「チャラい仕事」で片付けられてしまう。昔はそれでよく喧嘩もしたが今はもう諦めている。チャラい息子で申し訳ありませんと。


小学校で「親の職業調査」というのがあった。会社員の人、自営業の人、公務員の人、それぞれ先生が聞く度に、はーい、と手を挙げる。しかし、クラスでひとりヤハギくんという友達だけがどの職業にも手を挙げなかった。先生が「おとうさん何してるの?」と尋ねると、ヤハギくんは「無職です」と答えた。しかも「一年中、ゴルフしてます」と。放課後聞いてみたら、土地持ちだから働く必要がないと言っていた。「すげーかっくいいね」って憧れたのを覚えてる。


なんだかまとまらないが、「サラリーマンにはなりたかねえ」って育った世代だけれども、「サラリーマンにはなりたかねえ」って聞くより前から「サラリーマンにはなりたかねえ」かったわけだから年季が違うのである。そう、それだけでいいのだ。歳食って怖くなるほど娑婆僧ではない。


※コメントは承認されるまで公開されません。