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渡辺俊美TOKYO No.1 SOUL SET / THE ZOOT16福島県出身。TOKYO No.1 SOUL SET のギター、ヴォーカル、サウンド・プロダクション担当。並行してソロユニットTHE ZOOT16でも活動中。

水月デスロック

渡辺俊美
TOKYO No.1 SOUL SET / THE ZOOT16
福島県出身。TOKYO No.1 SOUL SET のギター、ヴォーカル、サウンド・プロダクション担当。並行してソロユニットTHE ZOOT16でも活動中。

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Vol.1 新幹線

2011.09.09

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僕は毎月最低でも2回は新幹線に乗る。
その中で面白いエピソードが色々あるが今回は先月末にあった東京から岡山まで乗車した時の話をしよう。

前の日僕はアラバキ•ロックフェスの前夜祭に『猪苗代湖ズ』で出演したので仙台に宿泊した。
朝早く起きて東北新幹線の仙台始発に乗って東京駅まで行き、東海道新幹線に乗り換えて岡山に向かった。
僕は2席あるシートの通路側だった。新横浜からとなりの窓側の席に70歳位のおばあちゃんが座った。
直ぐさま窓越しの親子に小さな声で「また来るね〜、元気でね〜」と、別れの挨拶をしてた。僕は、おばあちゃんに挨拶を一言交わして静かに京都まで寝た。

新大阪を過ぎた頃おばあちゃんから
「これ食べませんか?」
とサンドウィッチを差し出された。僕は親切な行為にありがたく頂戴し、それを切っ掛けに世間話を始めた。
おばあちゃんは熊本の人で、旅行の目的は横浜に住む息子の子供の顔を見る事だった。おばあちゃんの知恵袋を引き出そうとして、昔の生活の話や料理の話、そして話は東日本震災の事まで広がった。
僕は福島生まれなので強く震災の話をした。話の途中だったがトイレに行った。

そして、戻ってくると僕に
「これを読んで元気を出して頑張ってください」
と差し出された。それは、某団体の機関誌2冊だった。
僕は興味がありませんので要りません!と言えず、ひと呼吸おいて
「ありがとうございます!」
といって直ぐにリュックに仕舞った。
その後の会話はドキドキし過ぎてあまり覚えていない。早く岡山に着かないかなーと、願うばかりだった。

ようやく岡山に着いた。別れの挨拶をした。
「おばあちゃん、気を付けてね〜、ありがとうございました」
と言った。おばあちゃんは
「どうもどうも.......早く長野に帰れればいいですね〜頑張ってください!」
と小さな声で言った......。新幹線のドアが閉まり僕は大きく深呼吸をした。

長野???ひとことも言ってない!!

あれほど福島を語り合ったのに.....耳が遠かったのかな〜?!
僕の滑舌が悪いのわかっているのだが.......。

静かに岡山の新幹線ホームのゴミ箱にあの2冊を捨てた。

渡辺俊美(TOKYO No.1 SOULSET/THE ZOOT16/猪苗代湖ズ)


★今年の夏は「WACKO MARIA 」と「RIG」の開襟シャツのセットアップをよく着てました。
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