モバイル版とAIで広がるクリエイティブの未来。
イベントでも印象的だったのが、誰もがスマホを使い、実際にモバイル版を試してみているということ。「若い世代は、デスクトップを使いたがらない。カウチでリラックスしながらスマホで創作したいんです」とは、前出のジェイソンさん。
実際、TikTokでもInstagramでもYouTubeでも、バズる作品の多くがスマホだけでつくられていたりするし、〈アドビ〉のモバイル版アプリがあれば、4K動画の編集やエフェクトの追加、ジェネレートもいくらでもできてしまう。しかも、難しい操作なんてものはありません。
「本当にスマホだけでつくれるの?」ってひとも多いでしょう。では、先日行った沖縄で撮った素材をもとに、モバイル版のPhotoshop、Firefly、Premiereを駆使してつくったショート動画が以下です。撮影から制作まで、全部モバイルで。
何より重要なのは「好奇心」だと、参加者はみな語っていました。繰り返しになりますが、新しいツールを恐れず、まずは触ってみること。失敗を恐れず、どんどん試すこと。それが新時代のクリエイターの第一歩だと。この作品も粗だらけですが、挑戦した結果です。悪しからず。
「なにも、自分自身を制約する必要はないんです。たとえばPremiereモバイル版でスタートしたとして、もっと大画面で見たいとか、より精密な編集をしたいときはPremiereデスクトップ版に送り作業をしてもいい。自分の成長とともにどんどん広がっていく。まずは最初の一歩を踏み出すことです」とはポールさんの言葉です。
さて、新しいツールといえば、AIにも懐疑的な意見があります。みんなが「AIに仕事を奪われる」と心配しています。
とはいえ、AIが無くなる世界線はきっと訪れません。であるなら、これからは「AIがつくれないもの」を探すんじゃなくて「AIと一緒につくったらどうなるか」を考えるほうが面白いのかもしれません。料理でたとえるなら、炊飯器やブンブンチョッパーを使うのは「ズル」ではないわけで。AIも同じ、新しい道具として使いこなせばいいのではないかと思ったりもします。
それと、AIは「きれいな夕日の写真」はつくれても「あの日、友達と喧嘩したあとの帰りに見た夕日」はつくれない。要は、作品に「意味」や「物語」を込められるのは、いまのところ人間だけ。だから、これからのクリエイターは「上手につくる人」じゃなくて「意味を生み出す人」が大事になっていくだろうし、「どんな背景の人がつくったのか」というのも大事になるのだと思います。
AIの登場で、むしろ人間らしさが見直されるという、逆説的で面白い時代に、私たちは生きているのかもしれないです。そんな時代に、〈アドビ〉は「みんなクリエーター」を本気で実現しようとしています。高価なPCも、専門的な知識も必要ありません。必要なのは、スマホとあなたの想像力、そして恐れない心だけです。