自分に合わせて育てるのがいい。
ー若い頃といまとで、渋川さんのファッションは大きく変わりましたか?
Shibukawa: それがなかなか変わんなくて。いわゆる50年代、60年代とかの古着が、やっぱりいちばん好きなんだよね。人前に出る時とかライブに行く時とかさ、そういう「ちょっとカッコつける」っていう時は、お気に入りの一点物の古着を着る。変わったことと言えばサイズ感くらいかな。タイトなやつから、すこしゆったりめになってきたというか。
ー古着のどんなところに惹かれるんでしょう。
Shibukawa: 風合いだね。特にシャツが好きで、開襟シャツが多いんだけど。昔のレーヨンの生地の良さっていうのは、いまのやつにはなかなかないんだよね。下にとろんと落ちる感じっていうのかな。
ー今日着てもらった〈ナナミカ〉のコートは、表地にコットンを使っているので、着れば着るほど風合いが良くなっていくそうです。
Shibukawa: いいよね。そういう服が自分のものになっていく感じ。革ジャンでもジーンズでもそうだけど、自分に合わせて「育てている」感じがするから好きなんだよね。このコートも生地がしっかりしてて、育てがいがある。袖がすこし長かったから捲ってるけど、それはそれでアクセントになっておもしろいなって。
ーもう一つのセットアップは光沢感があって、軽くてシワになりにくい素材ですね。
Shibukawa: 普段はこういうきれいなのはあまり着ないけど、舞台挨拶とか「ちょっときれいな格好をしたい」時にはいいかもね。きれいなんだけど、ゆったりしてるから動きやすい。ビシッとスーツってわけでもない、ちょうどいい塩梅なんだよ。俺、気に入ったらずっと着るんだよね。そうすると、どんどん自分のものになっていく。自分が気に入るポイントってうまく説明できないんだけどさ、確実に「そこだ」っていうポイントがあるんだよね。
ー〈ナナミカ〉のコンセプト「心を満たすライフテックウェア」にちなんで、渋川さんにとって「心が満たされる瞬間」とは?
Shibukawa: さっきの話と重なるけど、やっぱり撮影が終わって、自由な時間ができて、いい店を見つけた時だね。それで入ってみて「当たった!」っていう時。やっぱり食べることが好きだから。
ー食事は何よりの楽しみですよね。
Shibukawa: 普段そんなに運動もしないから、年取ってくると夜食べるのをすこし我慢して。その我慢したぶん、いい店を見つけた時はね、やっぱり嬉しいよ。あとは、うなぎを食べる時かな。うなぎなんてしょっちゅう食えないし、誕生日とか記念の時のものだから。まあ、やっぱり美味いもんを食べてる時が、いちばん満たされるよね。