登山と運転は、ちょっと似ているところがある。

続いてやってきたのは、岩本町にある「ムーンライトギア」。キャンプや登山を楽しむ勝さんならではのお店です。
「ぼくは奈良出身なんですけど、母親の実家が吉野っていう山奥にあって、小さい頃によくおじいちゃんと一緒に外で遊んでいたんです。山菜やきのこを採りにったり、湧水を汲んだり、薪をくべて五右衛門風呂に入ったり。すごく不便なんだけど、なんだかそれが充実しているようにも見えて、小さな頃からアウトドアの楽しさを刷り込まれていたんです」




そうした幼少期から時を経てアウトドアにハマったという勝さん。可能な限りの軽量化を目指すウルトラライトのスタイルに魅せられ、「ムーンライトギア」に通うようになったといいます。
「荷物を軽くしたぶん、遊ぶことを増やすみたいな考え方がこのお店にはあって。そこに共感しましたね。ただ単に軽くすることを目指すんじゃなくて、マイナスしたぶん、プラスアルファで違うものを持っていく。たとえばぼくの場合、カメラを持っていって山で花の写真を撮るんです。ひとつのアプローチにストイックになるのではなく、もっと自由な発想で登山を楽しむスタイルに惹かれます」


お店のスタッフとのコミュニケーションもここへ来る理由のひとつ。スタッフの方々との情報交換を楽しみながら、山へと思いを馳せます。そもそもどうして登山に惹かれるのでしょうか?
「限りある道具の中でやりくりするのも楽しいし、単純にカラダを動かして健康になるのもうれしい。歩いていると落ち葉や岩場など、いろんな感触を確かめることができるし、登っている段差の高さによっては日常生活では使うことのない筋肉も使えるのも魅力だと思います。あとは単純に達成感を得られるのもいいですよね」

「ムーンライトギア」のスタッフとも登山に行くことが多いということで、店先で次回のスケジュールを擦り合わせ。頭の中は登山のことでいっぱいです。
「登山と運転って、ちょっと似ているところがあるかもしれないですね。ルートを頭で考えながらカラダを動かして頂上を目指すわけですが、集中していると、いつの間にか無心になっている。程よい疲労感と共に味わう自然の気持ちよは本当に格別だし、気持ちをリフレッシュできるので」
