マイペースに移動して、予期せぬ出会いに巡り合う。

まるで昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな街並みが広がる富士吉田。小さな路地も多く、こういう場所はクルマより自転車でぐるぐる回るのが正解です。
「こういうことがやりたかったんですよ。自転車の醍醐味はマイペースに移動できるという点と、クルマで入れないような狭い道を抜けられるところにあるんです。そうした道を走っていると、おもしろそうなお店を発見したりして、予期せぬ出会いに巡り合うこともある。それが楽しいんです」



ゆっくりとペダルを漕ぎながら、町の空気をキャッチする河内さん。昔ながらのお店と、新しく生まれたであろうお店がバランスよく共存し、この地域ならではのムードを醸し出しています。
「いい場所ですね。どこか懐かしさを感じつつ、気になるお店もいくつかありました。お腹が空いたから、どこかで軽く食べるのもアリですね」


あらかじめ目当てのお店をチェックするのではなく、その場へ行き、自分の足でいいお店をリサーチするのが河内さん流の遊び方。この日も自身の気分と向き合いながら左右を眺め、そこにフィットするお店を探します。

「おっ! このお店はなんだか良さげ。ちょっと入ってみましょうか」
ということで見つけたのは「金精軒」というお菓子屋さん。信玄餅やどら焼き、さらにはアイスに至るまで、さまざまな甘味を扱うお店です。中でも限定メニューの水信玄餅というお菓子が人気とのことで、河内さんもそちらが刺さった模様。

「これ、めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか? ちょっとの振動でプルプルと揺れて、なんだか懐かしさと優しさを感じます」

夏のあいだにしか食べられず、さらには金、土、日、祝日限定ということもあり、週末には多くのお客さんがこのお菓子を目掛けて富士吉田に訪れるそう。気になるお味のほうはいかがでしょうか?
「めちゃくちゃ美味しい! きな粉と黒蜜の相性はやっぱり抜群ですね。お餅も水信玄という名だけあり、瑞々しさがハンパない! 言葉にできない感動がありますね」

富士吉田の街並みを満喫し、小腹も満たしたところで「カングー」のもとへとペダルを漕ぎます。これから再び西湖へと戻り、ソロキャンプをしながらゆっくり時間を過ごす予定です。
「まだ夕方前の時間ですけど、めちゃくちゃ充実した時間を過ごせています。それもこれも『カングー』と自転車のおかげ。あとはキャンプサイトに戻って、一日を振り返りながらゆっくりと自然に浸りたいと思います」
