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金子恵治とイタリア。25年の時を経てみる、現地の“いま”。第1回:装う国、イタリア。
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金子恵治とイタリア。25年の時を経てみる、現地の“いま”。
第1回:装う国、イタリア。

ぼくらはイタリアについて、どれほどのことを知っているだろう? 身近なのはファッションや料理だけど、彼の地でどんな文化が育まれ、人々がどんな日常を送り、どんな瞬間に笑顔になるのかは、案外知りません。 そんなイタリアについて、「いま、いちばん気になる国なんです」と話すのは、ファッションディレクターの金子恵治さん。バッグブランド〈フェリージ(Felisi)〉の日本のコンセプターとなった彼に、約25年ぶりに訪れた現地の“いま”をたっぷりと語ってもらいましょう。全5回からなる連載企画。第1回は、かつて通った「ピッティ」の記憶を起点に、いまのイタリアを見つめ直します。

イタリアはファッションに対してもっとオープン。

タイミングが合わないまま長年訪れることのなかったイタリア。それが昨年に〈フェリージ〉の日本のコンセプターへと就任したことを機に、約25年ぶりに訪れることになったといいます。そしてそれが口火となり、イタリアン・ファッションの沼へとどんどんハマることに。

ー久しぶりのイタリアはどうでした?

金子:まずは〈フェリージ〉が創業したフェラーラという街を昨年の10月に訪れたんです。ぼく自身、このブランドのアイテムは20代の頃から使っていたし、1973年生まれでぼくと同い年なんですよ。だから運命めいたものも感じていて、そこに対するモチベーションがかなり高まっていて。結果的にブランドのことをよく知れたし、新しいものづくりのアイデアも生まれました。

ー今回はバイヤーとしてではなく、コンセプターとしての訪問ですよね。そこでの気持ちの差もありそうですね。

金子:ゆっくりと街を回れたのはよかったですね。ただ、どこかにバイヤー気質みたいなのが残っていて買えるものを探すんですけど、全然見つからなくて(笑)。唯一、すごく老舗の下着屋さんがあって、そこで下着とかパジャマを買いましたね。

ーそして今年の1月には「ピッティ」にも〈フェリージ〉の一員として参加するわけですよね。

金子:「ピッティ」に参加することが決まって、なぜかすごく気合が入っちゃって。とにかく会場でひとの写真を撮りたかったし、自分もその場に行くからには、しっかりとファッションも気を使わなければいけない。だからいろんなことを想定して、きちんと準備をしていきました。

ーでも、先ほど「ピッティ」の華やかなムードとは「対極にいる」と話していましたよね。そのギャップをどう埋めていったんですか?

金子:はじめにフェラーラに訪れていたのがいいクッションになったのと、自分で写真を撮るようになったのが大きいですね。「ピッティ」ってお洒落なひとたちがたくさん集まるじゃないですか。そうしたひとたちを自分なりに切り取りたいというモチベーションがすごく高かったんですよ。

ーバイヤーだとモノをみつけるのが仕事だけど、今回は〈フェリージ〉の日本のコンセプターである一方、ファッションディレクターとしての目線もあるわけですもんね。

金子:買い付けから解放された感じはすごくありましたね。そのプレッシャーがないから、とにかく自分がかっこいいと思うスタイルを撮りまくるぞっていう。写真を撮り逃したくなかったので、現地での撮影のシミュレーションもしていきました(笑)。

あとは久しぶりにファッションを楽しもうという気持ちもあった。「ピッティ」には「ピッティ」ならではのTPOがあって、そこに合わせて自分を調整していく作業もすごく楽しかったんです。毎日服装を変えることを決めて、バッグもいろいろと持っていきました。出発直前までああだこうだと考えてましたね。

ーシミュレーションするほど気合が入っていたと(笑)。

25/44/LD+A ¥165,000

金子:撮影のときは〈フェリージ〉の特別シリーズ〈フェラレージ〉のバッグが活躍しました。こちらは深さがちょうどよくて、ぼくが使っているカメラやレンズを収納するのにピッタリだったんです。フラップがなくてカメラやレンズがサッと取り出せる。だから写真を撮る動作もスムーズに行えて、ストレスがなかったですね。

ーデザインも素敵ですね。

金子:そうですね。カメラバッグとして使っているのはきっとぼくぐらいで、「ピッティ」の会場でも浮かないし、大人が持つのにふさわしいプロダクトだと思います。ワンショルダーとして肩に掛けてもいいし、ショルダーとして斜め掛けもできる。脇を締めていれば自然と口も塞がるので、スリに手を突っ込まれることもありません。

10/30/2/LD+DS ¥188,100

金子:もうすこし荷物が多い時は〈フェリージ〉の2wayショルダーバッグも役に立ちました。シボ革の柔らかなバッグなのですが、しっかりとマチがあるから、こちらもカメラやレンズを収納しやすかったですね。

ーファッションのためにつくられたプロダクトをカメラバッグとして使うあたりに、金子さんらしさを感じます。

金子:〈フェリージ〉はレザーのクオリティがすごくいいし、シボ革だからキズがついても目立たず、気にならないんですよ。あとはカメラとレンズのように重たいものを入れていても、安心感があるところもいい。真鍮の金具はすべてイタリア製で、ものづくりのクオリティがきちんとしているんです。東京にいるときはもちろんですが、こうやって旅先で使うのにめちゃくちゃ適しているんですよ。

ーそうやってたくさんの写真を撮りながら見えてきたものがたくさんありそうですね。

金子:そうですね。イタリアはファッションに対してもっとオープンな感じがします。おしゃれすることに対して遠慮が必要ないというか、かっこつけるのが当たり前なんです。ちょうど6月にも「ピッティ」へ行ってきたので、その辺りに関しては、今後この連載でお話していこうと思ってます。

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