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FEATURE|古着サミット4 あの古着好事家が1年ぶりに集結!

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第四講 阿部 孝史
「実際に使っているバンダナは20枚くらい」

阿部:では最後は自分が気になるものを。これらのモデルってなんて呼べばいいのかな?日本だとサルベージパーカとかスノーパーカっていわれることが多いけど、アメリカではガンナースモックジャケットって言われてるよね。

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栗原:そうですね。

藤原:この白いタイプって染められているのもありますよね。

阿部:あるよね。黄色、赤、緑とか。

栗原:タートルのロングスリーブでもありますけど、結局あれなんかもこれと一緒で着る人の任務によって色分けされてるらしいですね。

今野:って話だよね。何色が誘導とか。詳しくはわからないけど。

阿部:あの色物も欲しいんだけど、全然ないよね。

今野:ないですよね。でも色物って怖くないですか?オリジナルか後染めかわからないから。 それこそ、こないだ名古屋でこの黄色があったんですけど、オリジナルかわからないから買いませんでした。

阿部:そうだよね。

今野:白はオリジナルってわかるからいいんですけどね。

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阿部:こっちのデニムは、フードが切れる状態で買ったんだけど、US NAVYのランドリーバッグでフードを作ってもらおうか、迷ってるんだよね。

藤原:そのままの方が良いと思いますよ。

阿部:じゃぁ、そのままで着る(笑)。

今野:最近デニムは見ないですよね。

阿部:ずっと完品を探してるけど全く出ないよね。これはアメリカのオークションで見つけたんだけど、前から欲しかったから、ダメージもあるし、フードも切れちゃってるけど買っちゃいました。ただ現物を宮っち(「OKIDOKI」スタッフ)とおいちゃん(「OKIDOKI」のリペア担当)に見せたら「このダメージは薬品系が原因だと思うから、これからどんどん破けますよ」って言われて…。かなりショックだったけど、昔から欲しかったので開き直ってガンガン着ようって決めました。かなり安かったから良いんだけどね。

藤原:最近はうちにも全く入ってこないですね。

今野:だいぶ前に高円寺の古着屋さんで10万代後半で見たけど、それからはしばらく見ないね。

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阿部:昨年渋谷の古着屋でサイズXLの完品が出たんだけど、それは25万だったかな。

今野:XLかー。以前よりは探してる人も少ないと思うので、見つかればそこまで高くないかもしれませんけどね。

阿部:そういえば、栗君がこの前開きのない被りのタイプって、前開きとは別かもしれないって言ってなかったっけ?

栗原:いやー、あくまで憶測だから断言はできないんですけど、阿部さんが持ってきているカスタムされてるジャケットは、ラボ(研究所)用ってアメリカで言ってたディーラーがいたから、もしかしたらって感じです。

阿部:ちなみにこの白のカスタムされてる方は「Mr.Clean」さんっていう良心的なお店で買わせてもらいました(笑)。じゃぁ、デニムにフードは付けず、そのままで良いかな?

藤原:いやー、絶対そのままの方が良いと思いますよ。

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阿部:次は〈カーハート〉のデニムカバーオールを。

藤原:でた、大戦モデル。いやぁ、すごい。久しぶりに見ました!

今野:色もかなり濃いですねー。これ、前にポケットを外すか外さないかっていってたカバーオールですよね?

阿部:そうそう。元々2ポケットなんだけど、当時のオーナーがもうひとつポケットを自分で付けちゃってたってて、それを取るか取らないか迷ってたやつ。結局は自分で外しちゃったんだけど、パッと見はわからないよね?

藤原:いや、全くわかりませんね。スチームはかけました?

阿部:いや、縫い跡を水でちょっと擦ったくらい。

藤原:スチームをあてたら、もっと綺麗になりますよ。

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今野:(カバーオールを身体に合わせながら)これ、阿部君サイズですか(笑)?

藤原:いや、僕サイズだと思いますけど(笑)。

今野:僕も〈リー〉と〈カーハート〉の互い違いの2ポケットになってる大戦モデルはずっと探してますけど、まずコンディションの良いのが見つかりませんよね。

阿部:そうだよね。この左上と右下に付く大戦ならではのポケットデザインはやっぱりいつかは欲しいと思っていたので、安く手に入れられたのはラッキーだったかな。普通に考えて、この斜めにポケットが付くってありえないよね(笑)。

栗原:だから当時のオーナーもポケットを自分で足したんでしょうね(笑)。

今野:気持ちはわかるよね(笑)。

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阿部:なんで互い違いなのかね?

藤原:大戦中ということで、ポケットを減らさないといけなくなった時に〈カーハート〉と〈リー〉は胸と腰、ひとつずつ残そうとしたんでしょうね。ただ、あまりにも使い勝手が悪いから胸ポケットを排除して、腰のポケットをふたつにしたのかと。他のブランドは、腰ポケットふたつですもんね。

栗原:左下にポケットが必要な人も多かったら、こういうリメイクが見つかるんでしょうね(笑)。

今野:不評だったと思いますよ(笑)。

阿部:ま、だからこそ、このデザインは面白いよね。てことで、前回もカバーオールを紹介したけど、やっぱり面白いなぁと。もちろんジージャンも好きなので着てますけど、他の人と被ることも多いので、そういう意味ではカバーオールの方が新鮮かな。

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今野:次はスウェットですか?

阿部:そう、そんなに希少とかってわけではないんだけど、ちょっと珍しいモノを2枚。どっちも無地なんだけど、タートルネックとビッグサイズの両V。

今野:タートルネックは珍しいですね。

阿部:あまりないよね。ハンドメイドかもしれないけど、カラーが自分の好きなネイビーだったというのと、自分でもゆったり着られるこのサイズ感が気に入って買っちゃいました。

藤原:たまに着てるんですか?

阿部:秋冬に着てるよ。これ一枚でシンプルに着ることもあるし、このスウェットの下に白紺ボーダーのタートルネックを着てレイヤードで着ることが多かったかな。

今野:ちょっとスウェットの内側を見ても良いですか?

阿部:どうぞどうぞ。

今野:(内側のステッチを見ながら)裾のステッチはあげてますけど、他はすべて同じステッチなのでオリジナルじゃないですかね。

阿部:本当に? ハンドメイドだと勝手に思い込んでたから、ちょっと嬉しい(笑)。

今野:多分オリジナルだと思いますよ。あとネイビーならではのこの焼け具合もいいですよね。今の染料は褪色しづらいように加工されてるから、この雰囲気は出しづらいですし。

栗原:僕もこないだ札幌で白のタートルネックを見つけて、かなり気になったんですけど、迷った末に買うのをやめたんですが、買っておけば良かったって思ってます。

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藤原:こっちの両V、大きいですね!

阿部:でかいよね。アメリカの人って乾燥機をかけるのが当たり前だから、身幅は広くても着丈の短いスウェットが多いけど、これは奇跡的に身幅だけでなく着丈も長いの。以前着丈を計ってみたら74cmもあったよ。

藤原:ながっ!

阿部:ディテール的にはそんなに珍しくないかもしれないけど、このサイズ感は滅多にないよね。

藤原:いやぁ、ここまで大きいのはないですね。

阿部:ないよね。スウェットは好きだから古着屋さんに行くと必ずチェックするけど、ヴィンテージスウェットに関していうと、まずは大きいサイズを探しちゃう。プリントがいくらカッコ良くても、着ることができなければ意味ないし。だからこれを見つけた時は嬉しかったなぁ。普通の両Vよりはちょっと値が張ったけど、まずこのサイズは出ないから買っちゃいました。

今野:このスウェット、フリーダムスリーブで両Vっていうのも良いですよね。フリーダムスリーブっていうと〈ヘインズ〉のウインドシールドが有名ですけど、両Vはないと思うので。

栗原:あれはVなしですよね。

阿部:〈ウィルソン〉で両Vのフリーダムってあるよね。これはタグが付いてないので、どこのブランドかわからないけど。…まさかレプリカってことはないよね?

藤原:いやぁ、それは絶対にないと思いますよ(笑)。

栗原:これがレプリカだったらたいしたもんですよ。

阿部:そうですよね、長州力さん(笑)。

栗原:長州力のマネなんてしたことありませんから(笑)。

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阿部:最後はお約束のバンダナを(笑)。

栗原:まぁ、予想はしてましたが(笑)。

阿部:今回はアメリカ大統領選のキャンペーンバンダナを持ってきました。

藤原:いやぁ、凄いですね…。

今野:バンダナの本、いつ作るんですか(笑)?

阿部:小牟田さん(フイナム編集長)次第かな(笑)。

藤原:バンダナってかさ張らないと思いますけど、阿部さんが持ってる量だと相当場所を取りそうですね。

阿部:いや、意外と場所を取らないよ。幅150cmくらいのラックを2段くらいだけ。口で説明するとちょっと伝わりづらいので、詳しくは11月26日発売予定の『BEAMS AT HOME 3(宝島社)』でご確認ください(笑)。

藤原:さすがサラリーマン(笑)。2000枚くらい持ってるんですか?

阿部:いや、おそらく1500枚くらいだと思う。何年か前にちゃんと数えたんだけど、その時で1300枚以上あって、それからも買い続けているのでそのくらいかと。

今野:1500枚って…。

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阿部:ちなみにこっちの星柄は青ベースと赤ベースが揃ったので、額に入れて飾ろうかと。

栗原:ポーカーで言うところのワンペアですね(笑)。

今野:よくワンペアできましたね。別々に買ったんですか?

阿部:そう。最初に青ベースを見つけて、その後に赤ベースを。

藤原:ちなみに幾ら位するんですか?

阿部:まぁ、それなりにしますよ(笑)。

藤原:(笑)。アメリカで見つけても相場がわからないから、買うのが難しいです。

今野:ちなみにこれっていつ頃のものなんですか?

阿部:今日持ってきているのはすべて1888年だね。もしくはそれ以前。

今野:1888年!?

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阿部:1888年に行われたアメリカ大統領選のキャンペーンとして作られたものなんだよね。ベンジャミン・ハリソンっていう共和党の人が大統領候補で、レヴィ・モートンっていう同じく共和党の人が副大統領候補。大統領選のバンダナは基本的に候補者の名前が書かれているから、年代の判別が容易にできるっていうのも特徴かも。まぁ、そもそもそんなに集まらないけど(笑)。

今野:1800年代ってやばいですね…。確かに生地感も色合いも全然違いますね。

藤原:やっぱ普通のヴィンテージバンダナと同じで、赤よりも青やネイビーの方が値段は高いんですか?

阿部:この時代になるとそんなに差はないと思うけど、人気でいえば断然青系かもね。ただ〈レイルロード・ブラザーフッド(RAILROAD BROTHERHOOD)〉っていうアメリカの鉄道協会の有名なバンダナがあるんだけど、それはネイビーよりも赤の方が見かけないね。ちなみにこの色違いはいつか別々に額装したいと思ってるんだよね。2つ並べて飾ったら可愛いかなと。ただ縮みがあるのかサイズが微妙に違うから、ちょっと悩んでます(笑)。

栗原:お弁当包んだ方が役に立つんじゃないですか(笑)。煮物多めの時に是非(笑)。

阿部:お弁当用のバンダナがあるので、これでは包みません(笑)。なくても包みません(笑)。

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今野:こっちのトリコロールも可愛いですね。

阿部:いいよね。これは端に“BANNER HANDKERCHIEF”って書かれてるから、バナーとして使われていたのかもね。ひと言で大統領選のバンダナといっても同じキャンペーンでもかなり種類があるから、まだ見たことのないデザインもあると思うよ。今日は持ってきてないけど、同じ1888年のキャンペーンで別のデザインも自宅にあるので。

藤原:ちなみにこのバンダナって実際に使うんですか?

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阿部:まさか(笑)。溶けて消えちゃうかもしれないから、この年代のバンダナは水にすら通してないよ(笑)。しかもこの辺りを使ってたらちょっとヤバいよね…。普段はドット柄とトリコロールのマリン柄をローテーションで使ってます。使ってるのなんて20枚もないから、極端にいえば1480枚は使ってないってことになるかも(笑)。

藤原:ちなみにどこで買ってるんですか?

阿部:あまり詳しくはいえないんだけど(笑)。ま、でも栗君にはすごいお世話になってます(笑)。もちろんどのお店でもバンダナは必ずチェックはしてるけど、よく買わせてもらってるのは「サンタモニカ表参道店」さんと「ロングビーチ」さん、あとは高円寺の「メチャ」さんかな。それとあまり教えたくないんだけど元サンタモニカの川辺君がオープンした「ゴールドスクール」は、かなり安いのでオススメ。

栗原:教えちゃったじゃないですか(笑)。

阿部:いいお店は紹介しないとね(笑)。

今野:いやぁ、やっぱり古着って面白いですね。

阿部:そろそろみんなで古着屋さんを回りたいね。

今野:小牟田君にお願いして、全国の古着屋さんを回るキャノンボールツアーをやらせてもらいましょうよ(笑)。

藤原:ぜひ行きたいですねぇ。

栗原:そういえばこのくだり、前回の最後と一緒ですね(笑)。

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