
3人だけの「駆け抜けて青春」。
ー 役者同士のコミュニケーションなど、現場ではどうバランスをとっていたんでしょうか。
菅田: YOSHIの存在が大きかったんですよ。バランスはすべて彼がパッションでとってくれた感じかな。すきって何? 生きるって何? ってタロウは台詞として吐いてるけど、現実で動いているYOSHIの身体そのものがこの映画の本質のように見えてきて。ぼくらはもうそれに順応していくだけというか。
仲野:うん! 確かにそうかもしれないね。
菅田:物怖じもしないし、パンチもすごかった。でもYOSHIもまだどこか最後までいききれないところがあるんですよ、私生活も役柄も両方。学校の話とか仕事の話とかをしてくれるんだけど、彼の性格上、やっぱりひととのぶつかり合いも多いみたいで。でもその分、生き辛かったり傷つくことも多いから、痛みもちゃんと知ってる。そんなやつがタロウをやってくれると、もうこれ以上無い説得力なわけです。タロウが吠えてんだから、ぼくらも吠えようって。
ー エージの役柄についてはどうでしたか。
菅田:ぼくが演じたエージからすると、タロウみたいにある種、弱い存在であり、ちゃんとついてきてくれる存在がいることで、自分の “国” のような居心地のよさが生まれますよね。そこでしか吐き出せない自分や、なりたい自分がいて。でもいざ、その理想を外にぶつけてみると思い通りにいかなくて、跳ね返りも強くて、また傷ついたりする。

菅田:エージはそれでもどっか諦めたくないけど、やっぱりやり切れない。タロウはそんなこと関係なく突き進んでいける人だけど、経験と知識がない。だからエージについてくる。そして一見いちばん後ろにいるようでいちばん抑制しているんだけど、それゆえに、ある瞬間にブレーキが壊れて誰よりも突き進んでいってしまったスギオ。もちろん気持ちのいい結末ではなかったかもしれないけど、このバランスこそが、彼らにとっての青春というか。
ー たしかに青春ってひとそれぞれで、周りに理解されない、自分だけの宝物みたいなものですよね。
菅田:そうそう。でも、その大切さを解っていても実際やろうとするのは難しくて。だから個人的な目標としては1個だけ、とにかく3人で駆け抜けたいなと。太賀とはプライベートでの関係含め、お芝居の中でも死ぬほど青春できるっていうのは、もう解っているので。

菅田:でもやっぱタロウがわかんないから。もうとにかく3人でゲラゲラ笑いたいなっていうのがありましたね。あるじゃないですか、深夜に友達と遊んでた時に、次の日起きたら謎に動画とかいっぱい撮ってたこととか。
仲野:あるある。
菅田:何がおもろかったんやろこれみたいな(笑)。なんかそういう時間を3人で過ごせたらなっていうのが俺の勝手な目標で。で、それが実際出来たし。現場や劇中にもその時間はたしかにあったので。もう満足って感じですかね。

ー おふたりはプライベートでも仲が良いそうで。あ、いまも水を飲むのが完璧にリンクしてますね。
菅田:そう! 本当によくあるんですよこういうの。さっき撮影のときも、同じタイミングで息を「スゥ〜」ってしちゃった時あったじゃん。「うわ、恥ずかし」って思ったわ。
仲野:今日だけでもめちゃめちゃあったね(笑)。舞台挨拶でも同時に同じこと言ってた。
菅田:もう慣れたけどやっぱ気持ち悪いな(笑)。
