自分の好きな柄を選んでいろいろ考える時間も楽しい。

ー 全部で31種類ある柄の中から、今回は3つの柄を選んでシャツをつくってもらいました。
森山:デフォルメされていないというか、コミカルになっていない、そんな柄をセレクトしました。ぼくはスター・ウォーズがきっかけでアメコミも知ったんです。日本の漫画とちがって、アメコミはどちらかというと写実的ですよね。だからメカの描写がリアルで、そういうところに子供心をくすぐられたんです。
あとは先ほどおもちゃの話をしましたが、やっぱりドロイドやクリーチャーを選んでしまったというのもあります。

森山さんが着ているのが一番左のアクバー提督のインパクト抜群な柄。
ダース・ベイダーやジャバ・ザ・ハットなどの悪役が描かれているアメコミ調のパターンでポップに仕上げている。
右はR2-D2とC-3POの仲睦まじげなグラフィックがなんともキュート。
ー 今回のサービスは、「カジュアル」と「ドレス」という2つのタイプのボディをはじめにセレクトし、襟も「レギュラー」や「ボタンダウン」が選べます。あとは襟、ポケット、カフス、ボディにどの生地を用いるかを選択するわけですが、驚いたのが、森山さんは3つともすべて総柄のシャツをつくられたところです。
森山:アロハシャツとおなじ感覚ですね。とはいえ、まんまアロハはぼく自身あまり得意ではないんです。「長袖があったらいいな」とか、「開衿じゃなくて、襟腰のあるやつがいいな」なんて常々思ったりしてて、そういう気持ちを今回のシャツで発散しました。これはもともと長袖だし、襟はボタンダウンでいいか、みたいな。

森山:総柄はもちろん目立つと思うんですが、こうやってニットを着たり、上からジャケットを羽織れば見える分量も減りますし、「よく見たらスター・ウォーズの柄だった」みたいなところがおもしろいなと思いました。
ー できあがりを拝見されていかがですか?
森山:すごいよくできてますね。こういうシャツ、本当に欲しかったんですよ。ぼくがいま着ているアクバー提督のパターンのように大胆な柄の生地がもっとあればよかったですね。個人的には細かい柄よりも、こうしたインパクトのあるもののほうが好きなんです。
あと、今回の柄はすべてエピソード4から6までの登場人物で構成されています。当時はCGがなかったので、すべて実写で映画をつくっていました。それを思い出したときに、こうした柄の中にもどこかアナログな感覚が見え隠れしていて、すごく相性がいいなと思いましたね。
ー コーディネートを組む上で、総柄のシャツは上級なテクニックが必要になると思うんですが、もっと手軽に楽しむためにはどうしたらよいと思いますか?

森山:パーツだけ柄を入れるとかはありですよね。襟だけとか、ポケットやカフスのみといったように。部分的に見えるだけならファッションとしても取り入れやすいと思うんです。逆に襟とカフスだけ無地にして、ボディは柄を入れるというのもアリですよね。無地をどう差し込むかがキーになる気がします。ぼくはファッションというよりも、本当に好きだから着ているという感覚ですが(笑)。
ー 着こなし方に関しても、上手にファッションとして取り込むにはどうしたらいいですか?
森山:ぼくのように柄の見える面積を減らすのが効果的だと思います。シャツは上になにか羽織ることが多いですよね。仮にぼくのように総柄を選んだとしても、見える範囲を限定してあげれば、さり気なく着こなせると思います。チェックのシャツとか、ストライプのシャツを着るのとおなじ感覚ですね。

オレンジ色のアクバー提督に合わせて、ジャケットとパンツを茶系の配色で合わせた森山さん。大胆なパターンを採用することで「キャラクターが一部しか見えなくなるので主張が薄まって取り入れやすい」とのこと。
森山:あとは色合わせですよね。シャツの柄に使われている色を拾って同系色で組み合わせるのか、それともシャツをオーダーする際に、自分の好きな色をベースに生地を選ぶのか。そうしたことを念頭に置いておくといいんじゃないでしょうか。とはいえ、スター・ウォーズ好きの人たちは自分の思い入れのあるキャラクターを選ぶと思いますが…(笑)。まぁそれでつくったとしても、その柄の色を分析することで、上手に着こなせると思います。

オーダーしたシャツは、こちらの箱に入って納品される。
ー 最後に、改めて今回のサービスを通じて得られたこと、気づいたこと、感じたことを教えてください。
森山:先ほども話しましたけど、やっぱりファンとしてはシャツが着られるのがうれしい。Tシャツやスエット以外のアイテムで着れるものができたのは大きいです。あとは、自分の好きな柄を選んでいろいろ考える時間も楽しかったですね。欲を言えば、今後はシャツだけじゃなくてスーツとかGジャンとか、いろんなバリエーションのアイテムが増えてくれるといいですね(笑)。