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逆襲のプロゲーマー。梅原大吾(プロゲーマー)
〜PACK FOR LIFE〜 OUTDOOR PRODUCTS

逆襲のプロゲーマー。
梅原大吾(プロゲーマー)

爆発的に注目を集めているeSportsシーンですが、その人気もここ数年のこと。10〜20年前には仕事として成立するなんて想像する人は皆無でした。しかしその時代から、好きはもとよりさまざまな思いを原動力にしてゲームスキルを鍛え続けてきたのが、eSportsの第一人者である梅原大吾さんです。一度はゲームをやめるなど決して順風満帆ではなかったというその人生には、ゲーマーならずともさまざまな示唆と学びが詰まっています。“生活(人生)のためのバッグを”そして“生活(人生)のために荷造りしなさい”という「PACK FOR LIFE」というテーマを掲げる〈アウトドアプロダクツ〉とともに、梅原さんの劇的な人生を振り返ります。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Hikaru Sudo
  • Edit_Shinri Kobayashi

先のことを考えていたらコンボも決まらない。

452U ¥4,800+TAX
デイパックの原型と言われるモデル。
プロゲーマーの“原型”を日々作り上げてきた梅原さんと同様に、
当初の原型を守りつつも、ディテールなどが改良されてきた。

ー プロ10周年である今年のその先についてはどうお考えですか?

梅原:まず、こんなに長く続いた仕事は今までなくて(笑)。コンビニでバイトしても1週間でクビになっていたのに、よく続けられたなと思うんですけど、可能な限りこのままプレーヤーとしてやっていきたいですね。

ー 日本人初のプロゲーマーとして10年間第一線で活躍されているという点で「自分はパイオニアである」みたいな自覚はあります?

梅原:ないですね。たぶん、そういうことを意識するとダメになっちゃうんですよ。実は一回だけ意識しちゃったことがあって、それは2016年にスポンサーが一気に増えたときなんです。それ以前は「来年はどうなるかわからない。1日でも長くプレイしたい」という気持ちでがむしゃらにやってきたのに、いきなりスポンサーが増えて、そしたら今度は、スポンサーを失うことが不安になっちゃって、気持ちが守りに入っちゃったんです。

ー ああー。

梅原:あと、自分の影響力や与えられた立場に見合う振る舞いができているかとか、いろいろ悩むようにもなっちゃって。要は「俺は自分のためだけにゲームをやっていていいのか?」みたいな。そうやって精神的に病んでいた時期が1年ぐらい続いていて。だからゲームも楽しくなくなっていたんですけど、とあるインタビューの最中にライターの方からに言われた一言で、そのモヤモヤが一気に吹き飛んだんですよ。

ー なんと言われたんですか?

梅原:そのライターさんは、書道家の武田双雲さんを例に出されたんですけど、武田さんはご自身の人生設計をかなり綿密になさる方だったらしいんですよ。何歳のときになにをして……みたいな計画に基づいて行動し、実際に成功を手にされたんですけど、30代のときに大病を患って「これまで自分が計画してきたことは、自分が生きていることが前提の計画なんだな」と思うようになったと。つまり、病気とかで破綻するかもしれない将来のプランになんの意味もないから、それ以来、先のことを考えるのをやめたらしいんです。もう、明日のことすら考えない。今日のことだけ考えるというレベルで人生観が一変しちゃったんですけど「そうなってからのほうがうまくいき始めた」とおっしゃっていたそうなんですよ。

ー へええ。

梅原:という話をしたうえで、そのライターさんが「梅原さんは、自分の力ではどうにもならないことを考えすぎ。僕なんか、来月の仕事は1件も入っていないですから。それでも10年この仕事をやってこられたし、なんとかなるんですよ」と。その日を境に、僕も今できることだけをやって、明日のことは考えないというふうに気持ちを切り替えることができたんですよ。それはプロになる直前、あるいは10代の頃に原点回帰できたと言ってもいいかもしれません。

ー その梅原さんの原点、もしくは原型って、改めて言葉にするとどういうものになるんでしょう?

梅原:やっぱり人間って、ちょっとでも先のことを考えると集中できなくなるし、目の前のことが疎かになるんですよね。ゲームのプレイにしても、コンボと呼ばれる連続攻撃があって、例えばあるコンボを決めるには1から5までの手順を踏まなきゃいけなかったとします。そのとき、最初から5まで意識すると、1から2ができなかったりするんですよ。だから5にたどり着くためには2のことだけ考えなきゃいけないし、そのために1から2までを徹底的に練習するんですよ。そうやって今、目の前にあることを全力でやれば自然と3、4、5と進んでいける。そういうふうに僕は考えています。

INFORMATION

アウトドアプロダクツ
カスタマーセンター

電話:06-6948-0152
www.outdoorproducts.jp

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