一見シンプルな中にあるこだわりや仕掛け。
PROFILE
ランドスケーププロダクツの運営する「Tas Yard」店長を務めた後、恵比寿のBar「TRIAD」ゼネラルマネージャーを経て、2019年に神宮前にオープンした「Bar werk」でバーテンダーとしてカウンターに立つ。いっぽう、「PERCH(ペルチ)」名義でフリーランスとしても活動し、ドリンクにまつわる商品開発やプロデュース、イベントへの出店など多岐にわたり活動中。
ー 千駄ヶ谷の「Tas Yard」で長年店長を務め、個人でも、バリスタやバーテンダーとして活動してきた成田さんですが、こちらのお店「Bar werk」はどういった経緯でオープンされたんですか?
成田:最初、僕は長いことコーヒーにまつわる諸々をやっていたんで、コーヒー担当みたいな立ち位置だったんですよね。その後、知り合いのお店を間借りしていたんですが、そこで、お客さんからの要望でお酒も出すようになったんです。最初は簡単なものだけ提供していたんですが、興味が出てきて、銀座のオーセンティックなバーを巡ったり、YouTubeで独学したりしているうちに、面白くなってきちゃって。カウンターにも立ちたくて、その後、恵比寿のバーで2年間働きました。いつかは自分の場所を持ちたくて、フリーの活動も続けながら物件を探していたところ、ランドスケープ(プロダクツ)の中原さんから「いい物件が見つかったんだけど、どう?」と声をかけていただいたんです。
ー いい流れですね。「Bar werk」は、どのような場所にしたいと思っていますか?
成田:バーに入るのって、結構緊張しますよね? もちろん、ピリリとした空気感のなかで静かにお酒を飲めるのが、バーならではのスタイルでもあります。でも、それはそれとして、個人的にはもっといろいろな楽しみ方があってもいいと思っていて。だから、緊張がほぐれるようなカジュアルな接客を心がけています。実際、20代前半の女性がふたり組でいらしたりと、最初から幅広い客層にご来店いただいています。
ー 場の雰囲気をカジュアルダウンして敷居を下げる一方で、お酒や料理にはしっかりとした芯があり、本格的なこだわりを感じます。
成田:提供されたときに、ちょっと気分が上がる。それを第一に考えています。料理家の長尾智子さんが監修する料理については、ひと目だとごくシンプル。でも、自家製の調味料を使っていたり、盛り付けにこだわっていたり、ひと手間かけることで家では食べられない一皿にしてあります。
ー 一見シンプルでもその奥にはこだわりや仕掛けがあるというのは、〈ユニクロ ユー〉とも相通じるような価値観ですね。
成田:そうですね。お酒についても、たとえばジントニックに高知県産無農薬ベルガモットのエキスを落とす。すると飲み始めに、パッと香りが華やかに広がる。見た目は普通でも、ちょっとした非日常を体験してもらえるような工夫を忍ばせていますね。
ー 成田さんのビジュアルといえば、たっぷりの髭にシャツ、タイ、トラウザーズ、というスタイルがおなじみです。オフの日はどんな服装をされることが多いですか?
成田:オフの日も、実はわりと変わらない格好をしています。もともとクラシカルなスタイルやアイテムは好きだったんですが、忙しさにかまけて髭を伸ばしっぱなしにした頃から、頻繁にシャツやセットアップといったアイテムを着るようになりました。バランスを取ってるのかもしれないですね(笑)。
ー 本日のコーディネートや、〈ユニクロ ユー〉の服はいかがですか?
成田:普段は使い回せる黒やグレーを選びがちなんですが、選ばない色モノが入っていて新鮮で楽しいです。このスウェットくらい明るくも落ち着いた絶妙な色味だと、僕でもトライしやすいと感じます。ちょっと気分を変えたいときにセレクトしてみたくなる服ですね。