Case 03
PROFILE
90年代よりモデル、俳優として東京のストリートシーンにて独自の存在感を放つ。生粋のスケートボード愛好家であり、その他にもハードコアパンクバンドCROCODILE COXのヴォーカルや絵描きとしても活躍する。
@tillssdd

大事なのは憧れ続けること。
ー 今日着ている〈デウス〉の服を選んだ理由を教えてください。
昔からサテンジャケットが好きで、色々なスポーツブランドの物などを見てきたんですけど、どれもスポーツがメインだからか着丈がすごく短かったりするんです。現に今まで古着屋で何着もトライして失敗してきました。あと、最近のブランドが作っているサテンジャケットも着丈が長くて、逆に袖丈より長くなってしまっていたり。そんな中で、自分の黄金比がピッタリはまったのがこのジャケットでした。腰回りのリブが締まり過ぎず緩過ぎずで絶妙なんです。
ー 大柴さんならではのこだわりを感じます。ちなみにそこまでサテンジャケットに惹かれる理由は何なのでしょうか?
たぶん元々好きな服の根っこがアメカジなんだと思います。スタジャンとMA-1とサテンジャケットは何年かに一度は欲しくなっちゃう。でも、理想のサテンジャケットを見つけるのはもう無理だろうなと思って諦めていたんですけど、ありました、しかも新品で(笑)。

ー 今日の服装は普段スケートしてる時のスタイルと変わらないですか?
変わらないですね。変わらなさ過ぎて不味かったかな(笑)。せっかくなら撮影のために自分のあまり着ない物を選ぼうかとも思ったんですけど、着なそうなやつ選んでもたぶん似合わないだろうなと思ったから。だったら、自分が普段から着てるようなもの選ぼうと。

ー 〈デウス〉はスケートやバイク、サーフィンなど、様々なカルチャーをクロスオーバーさせながらも、それをひとつの個性として形成しているブランドです。大柴さんもスケート以外にバンドやアートなど多方面で活動されていると思いますが、ブレずにいられる秘訣はどこにあるんでしょうか?
たぶん、憧れ続けることだと思います。いまだに自分がブレないスタイルを持った人になれたとは思ってないし。だから、憧れ続ければ意識して無意識に進む。常に誘惑には晒されるし、でもこれやっちゃったら俺じゃないなとか葛藤したり。むしろ変わりたくても変われないなと思う瞬間はポイントポイントでやってくると思うんです。俺は変われないことで喜ぶことはないかもしれないけど、それを人から見た時にブレてないと思ってもらえるのかもしれないなと。

ー なるほど。変化することは別に悪いことじゃないと。
そう。自分も中学生ぐらいの頃は、この人みたいになりたいという憧れがたぶんあったんですよね。それこそ最初は人の真似だったと思う。でもある時、誰の真似をしてるか分からなくなってる。これやってみようと思った時に、そういえばアイツもこれやってたなって思っても俺はいいと思うし、人がやってないことをやる=新しいこと、じゃないと思っているから。誰かと同じことをやっていても、誰かと同じ物を着ていても、カッコイイ! って言われるような。音楽もスケートも一緒で、そういうのを突き詰めていくと、まだ俺は憧れ続けられているなと再確認できます。