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夏の定番中の定番。ぼくらのマイ・ラコステ。前編
MY LACOSTE IS DAILY SUMMER WEAR.

夏の定番中の定番。
ぼくらのマイ・ラコステ。前編

夏のファッションの定番中の定番といえばポロシャツ。その代表といえば、誰がなんと言おうと〈ラコステ(LACOSTE)〉でしょう。テニスウェアとして誕生したアイテムが時代を超えて、いまでは年齢性別の縦軸横軸問わず、たくさんの人たちから愛されています。そんなブランドのなかで燦然と輝く名作と新作を、ラッパーやDJ、セレクトショップのバイヤー、落語家、イラストレーターなど、ジャンルの異なる男女6人に着てもらいました。カジュアルさの中に潜む品の良さを、彼らはどう解釈し、どう表現したのでしょうか。まずは前編をご覧ください。

イラストレーションという枠組みの中でどれだけ奥行きをだせるか。

PROFILE

たなかみさき

イラストレーター。日本大学芸術学部を卒業後、フリーランスのイラストレーターとなり、熊本と東京を行き来しながら二拠点活動をしている。雑誌や広告のイラストを描いたり、グッズなどを手がける。今年、熊本、広島、渋谷のパルコで展覧会「たなかみさき個展 あ~ん スケベスケベスケベ!!」を開催するなど、作品の発表も積極的に行っている。

ー たなかさんは昔から絵を描くのが好きだったそうですね。

たなか:ちっちゃい頃ってみんな絵を描きますよね。そんな感じですよ。絵の専門学校に進もうとか、お金を出して自分で勉強をしたいと思ったのは中学生くらいからです。高校に美術系のコースがあって。でも、そこしか受けられないほど他の教科が苦手。

ー 昔はどんな絵を描いていたんですか?

 

たなか:女の子の絵はよく描いていました。デッサンが好きだったんです。

 
 

ー その頃からいまの作風で描いていたんですか?

たなか:苦手なことをどんどんやらなくなっていったんです。油絵とか、平面で塗っていく作業がすごくニガテで。どちらかというと白黒で描いたりとか、ペン画が好きだったんです。考えたことをすぐさま紙に描くほうが自分に合っていたのかもしれません。エロいモチーフに関しては、もっと受け入れてもらえないんだろうなとこっそり描いていたので。それがSNSの反応を見ても、世の中の風潮的にも、だんだん認められそうだなという風に思いはじめたんです。

    

ー たなかさんのイラストはあからさまに性を扱うというよりも、それを想起させるような描き方に特徴がありますよね。それはどのようにして生まれたんですか?

たなか:自分の絵をいろんな人に見てもらいたいというか、大衆的でありたいという気持ちがあるんです。なるべくいろんな人が楽しめるタッチのほうがいいなって。その中でどれだけアウトローなことができるか、というのは試しているつもりです。

 

ー 性と大衆ってすごく線引きが難しいと思うんですが、そのラインの引き方にたなかさんのニュアンスを生む鍵があるように思うんですが、いかがですか?

たなか:自分でも不思議というか、ものすごくエロくてグロテスクな絵を描こうと思ってもああなってしまうんです。良くも悪くもブレーキ機能というか、バランス感覚が自分のなかであるような気がしています。

 

ー 描かれているシーンやコメントに情緒というか、前後の出来事を想起させるような物語性がありますよね。それはどのようにして頭の中に浮かんでくるんですか?

たなか:そうゆう前後の関係性は気にしてますね。恋人が吸ったタバコの吸い殻にときめくとか、モノが持つ記憶みたいなことに興味があって。朝、脱ぎっぱなしのTシャツを見て、昨晩あった出来事を思い出すみたいな(笑)。あとは、例えばみかんの剥き方とかも人それぞれ違うじゃないですか。そうゆうモノを配置することで、物語性だったり個人のクセや性格を表せられるんだと最近気づいたんです。だから最近はそうした生活感を出すようにしてます。

 

撮影の舞台になったのは熊本市の「養生カレー」。地元の具材を使った南インドカレーはその名の通り、優しい味わいで人気。

ー そうした細かなディテールが描けるのは、人間観察など、よく人を見ているからこそだと思うんです。

たなか:昔に比べるといろんな人から話を聞いたりとか、コミュニケーションをよく取るようになりました。フリーランスではじめてから、本当にいろんなことが起こったんですよ。一番大きいのは熊本地震で、災害とか抗えないことが起こると考え方が変わったり、立ち止まって考え直さざるをえなくなります。

 

ー いまは新型コロナによって世界中に影響が出ていますが、こうした状況の中で感じたことや考えたことがあれば教えてください。

たなか:「人に会わなくても平気なんだな、私」と思って、ちょっと切なくなりました。基本ひとり仕事が多くて、コミュニケーションが苦手なので、あんまり人と深い人間関係が築けていなかったのかもしれない、といろいろ考えちゃって落ち込んでいたのですが、私のパートナーが営んでいる熊本のカレー屋がコロナの影響でテイクアウトだけの営業をしている間、極たまに仕事を手伝っていて、レジをするだけなのですが、久しぶりのコミュニケーションで。それだけで気持ちが満たされるというか、お客さんが満足そうに帰っていくのを見て、喜んでもらうって嬉しいことなんだなって。だからクライアントワークもさらに誇りを持てるようになりましたし、友人にも早く会いたいと前向きになれました。

 

ー 人物の服装やファッションを描くときに意識していることはありますか?

たなか:あまりおしゃれになりすぎないように。私の絵はファッションの絵ではないので。もちろん、頼まれれば描くんですけど。季節感とかは意識しますけどね。私の絵では、服は共感のためのツールなので、見てわかるものしか描かないんです。

 

ー たなかさん自身はどんなファッションが好きなんですか?

たなか:身長が低いので子供っぽくならないようには心がけています。アホみたいに赤い口紅ばっかつけてたときもあったんですけど(笑)。服はベタなものが好きです。夏は白Tとか、キャミソールとか。

ー ラコステに対してはどんなイメージをお持ちですか?

たなか:昔、古着屋でワニのワッペンがついているボートネックの白いセーターを着ていたことがあります。ワニのイメージですね。ワニがかわいい(笑)。ワンポイントって、なんか学生の頃から好きなんですよ。すごく象徴的な感じがして。

 

首元はボタンレスのスキッパー仕様のポロシャツ。袖はシームレスなデザインで、女性らしさを強調するようなシルエットになっている。襟、袖口、裾はリブニットで切り替えたデザインに。クラシックなディテールとモダンなデザインが融合した〈ラコステ〉らしい一枚。¥14,000+TAX

ー 今回ポロシャツを着てみていかがですか?

たなか:この形は白シャツみたいに着られて気に入ってます。サイズもあえて大き目を選んだんですけど、かわいいですね。着心地もいいですよ。生地の触り心地というか、質感もいいですし、すごくラクです。

 

ー 最後に今後の目標ややりたいことについて考えていることがあれば教えてください。

たなか:イラストレーションって消耗品で、絵画よりも敷居が低いという一般的な意識があると思うんです。その中でもイラストレーションという枠組みの中でどれだけ奥行きを出せるかというのはいつも考えていて。かわいいとか、おしゃれっていうだけじゃなくて、記憶に残ったり、逆にその人の記憶を呼び起こしたりとか、そういう奥行きを見つけていきたいんです。それって平面じゃなくて、すごく多次元的じゃないですか。だからいろんなものを見て、自分の考えの奥行きを広げていきたいと思ってます。

 
INFORMATION

ラコステお客様センター

電話:0120-37-0202
www.lacoste.jp

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