インパクト抜群！ コンセプトモデルに込めた思い。
ー 「MIZUNO ENERZY」と同時に発表されたシューズ、その名も「THE MIZUNO ENERZY」は見た目のインパクトが大きく、話題を呼びました。
THE MIZUNO ENERZY ￥25,000+TAX
森田：せっかく良い素材を開発しても、知ってもらわないと意味がありません。「THE MIZUNO ENERZY」は多くの人に「MIZUNO ENERZY」を知ってもらうためのコンセプトモデルであり、デザイン面でインパクトを持たせました。
機能面でも、この「THE MIZUNO ENERZY」は「MIZUNO ENERZY」の特徴をもっとも感じられるシューズです。側面や底面のモコモコしたところが「MIZUNO ENERZY」。ミッドソールの内部には「MIZUNO ENERZY CORE」を搭載しています。
あらゆる用具を手がける強みを生かして。
ー 新素材「MIZUNO ENERZY」の開発にどれくらいの期間をかけたのでしょうか？
森田：約2年間です。ただ、研究開発は積み重ねが物を言う世界であり、柔らかさと反発性を兼ね備えた素材の開発自体はそれ以前から継続して行われています。
また、ミズノの強みは、シューズだけでなく、あらゆるスポーツの用具をつくっていること。野球のバットやゴルフのクラブなど、反発性が求められる用具の開発で積み重ねてきた知見が、「MIZUNO ENERZY」の開発でも生かされています。
ー 「MIZUNO ENERZY」のような新しいソール材はどのようなプロセスを経て生まれるのでしょうか？
森田：感覚的な話になりますが、ソール材の開発は料理に近いかもしれません。たとえばパンを焼く場合、どこ産の小麦粉を使うか、そして水や塩を含めてどういう配合で混ぜ合わせるかによって、焼き上がりや味がまったく違ってきますよね。そういったプロセスを何十回、何百回と重ね、試行錯誤を繰り返すことで、満足のいくものは生み出されると思います。ソールの素材づくりもそれに似ています。
大事なのは、どういうシューズをつくりたいかというゴールを設定すること。「MIZUNO ENERZY」に関しては「シューズを着用される方のパフォーマンス向上を目指し、いままでにない柔らかくて高反発な素材をつくること」がゴール設定でした。結果、いままでとは違うレベルの素材を生み出せたと自負しています。
数値上だけでなく、体感として伝わるものを。
ー 「MIZUNO ENERZY」の開発において苦労したことがあれば教えてください。
森田：難しかったのは、機能性と強度・耐久性のバランスを取ることです。反発性を重視すると強度・耐久性が損なわれたり、強度・耐久性を重視すると柔らかさが失われたり。それらはいわばトレードオフであり、二律背反状態になるところのバランスをどう整理していくか。そこがもっとも苦労した部分です。
ー これまでのミズノを代表するテクノロジーである「MIZUNO WAVE（ミズノウエーブ）」はどうなるのでしょうか？
森田：「MIZUNO WAVE」はミズノを代表する基幹テクノロジーであり、今後もそれは変わりません。「MIZUNO ENERZY」と「MIZUNO WAVE」、それぞれの特性を補完しあうことで、より完成度の高いシューズをつくり出していきたいと考えています。
ー 「MIZUNO ENERZY」を搭載したシューズを実際に着用したランナーからの反応は？
森田：「踏み込んだときにしっかりと反発が返ってくる」「着地のたびに弾む感じがする」といったフィードバックをいただいています。そういった生の声はとてもうれしいです。たとえば「MIZUNO ENERZY CORE」で言えば、従来のソール素材と比較して反発性が約56%、柔らかさが293%向上していますが、そういった数値の部分だけでなく、着用した方の体感ベースで伝わるものをつくりたいという思いで開発しましたから。
シューズの履き心地はどんなに言葉を重ねても伝えるのが難しく、実際に体感してみないとなかなかわからないもの。今後、「MIZUNO ENERZY」を搭載したシューズが続々とリリースされます。ぜひ多くの人に履いてもらって、その優れた反発性を体感してもらいたいですね。
- 1
- 2
