サイケデリックから絵本まで。浅井健一の見つめる先にある風景。

ー 『神様はいつも両方を作る』の表紙イラストもご自身で手掛けていますが、拳銃を持ったパンクスという物騒なモチーフなのに可愛らしく仕上がっていました。イラストで表現したかったテーマについて教えてください。
あれは両手に銃を持ってんじゃん。『神様はいつも両方を作る』の“両方”だし、なんて言うの、可愛らしいものと最悪なものの“両方”だし、チビパンクスと大人パンクスも“両方”だし、良いなと思って。
ー 子どものパンクスがお団子とアイスクリームを持ってるのも…。
それも両方。西洋と東洋。団子は日本か。団子対ソフトクリーム…、ソフトクリームの勝ちかもなぁ(笑)。
ー イラスト関係で影響を受けた人はいますか?
名前は知らないけど、いっぱいいるよ。いまは便利で、ネットで探すと世界中の素敵なイラストが出てくるもんね。みんなすごいなぁと思う。
ー 浅井さんのイラストの色彩感はピーター・マックスなどの70年代のアメリカのサイケデリックアートの影響もあるのかなとか、タッチは『タンタンの冒険』っぽさもあるな、と思っていました。
あぁ、もちろん全てから影響を受けてると思うよ。『タンタンの冒険』も好きだね。本も持ってるよ。タンタンも絵が綺麗なんだよね。タンタンは実物の写真を撮ってきて、それを上手く自分のものにしてるみたいだね。
ー 現代美術家の奈良美智さんと一緒に絵本を上梓したこともありましたが、浅井さんと同じく絵画の分野の第一線で活躍する人と共作したことで、なにか影響を受けたりはありますか?
詳しくアトリエを見たわけじゃないけど、ものすごく一生懸命やる人だと思う。当たり前だけどね。『ベイビー・レボリューション』の絵も相当時間掛かってるんだと思うんだよね。