SIDE-A
身長は180cmと、広い店内の中でもひときわ目を引く。くしゃっとした笑顔と誠実な接客が魅力。ミュージシャン小沢健二さんの大ファンで、彼の書く文章が好きだそう。
SIDE-B
「ライトアップコーヒー」
のホットコーヒーを屋上で。
渋谷を眼下に、
故郷のコーヒーを思い出す。
ー ここで働くことになった経緯を教えてください。
櫻井:大学時代に、“地方創生”や“伝統文化”を学んでいて、これをなんとか後世に伝えることができないかなと考えていました。生活に取り入れられるもの、例えば洋服でそれができたらと思っていたとき見つけたのが〈ビズビム〉。僕がしたかったことを全部やっていたので「これだ」と。
ー それからビズビムの虜になり、働くことになったんですね。
櫻井:はい、大学卒業後、2年ほど本店で働き、昨年の「渋谷パルコ」オープンと同時にここに異動してきました。
ー 他とくらべて、パルコ店の客層はどうですか?
櫻井:本店は地下にあることもあり、目的を持って来られる方が多く、もちろんブランドのことも知っています。あと、中華圏のツーリストの方が7、8割でしたね。それとくらべると、日本人が多いというのが最初の印象。店内が広いこともあり、ふらっと立ち寄る方や家族連れやカップルが多いです。
ー 上の階にポケモンセンターなどがあるのも関係してそうですね。
櫻井:キャラクターのショッパーをぶら下げてくるお子さんも意外に多くて。たぶん、店内から見える外の踊り場に、デザイナー中村ヒロキがロサンゼルスで買い付けた、ペンギンのダストボックスがあるからだと思います。かなりウケがいいです。
ー 櫻井さん自身は最近パルコで、お買い物されましたか?
櫻井:はい、2Fの「サンタ・マリア・ノヴェッラ」さんでハンドクリームとハンドジェルを。ラベンダーの香りのするフェイスクリームを愛用していて、それがよかったので新作を買いました。これはレモンの香りです。
ー 爽やかですね、なぜレモンを?
櫻井:最近なぜかレモンに惹かれていて。そういえば、水筒に入れて持ってきてるのもレモン水ですね(笑)。
ー 肌のケアといいお水といい、セルフケアに抜かりがないですね。他にもありそう…。
櫻井:1Fの「イプサ」さんでも洗顔クリームを買いました。ショップ店員という職業柄、見た目には気を遣っていたいですね。
ー まさに鑑です。そんな櫻井さんはお仕事の休憩中、どんな過ごし方をされていますか?
櫻井:ごはんを食べたあとは、決まって10Fの「ライトアップコーヒー」さんへ。コーヒーをテイクアウトして、すぐそこの広場で本を読んだり音楽を聴いています。
ー いろいろとコーヒーショップがあるなかで、なぜここを選んでいるんですか?
櫻井:話が長くなるんですが…実は大学の卒業研究が関係していて。地元の山梨では、山ごとに水の味がすこしずつ違っていて、それを使ってコーヒーや紅茶を作り、嗜好飲料としての新しいブランディングを行なっていたんです。
ー 地元に根付いたコーヒーに触れていたんですね。
櫻井:はい、そこで知った「寺崎COFFEE」さんのコーヒー豆がすごく好きなんですが、ライトアップさんのものはそれと似ていて。サードウェイブ系といいますか、飲むと山梨にいたころを思い出して安心するんですよね。
ー 渋谷を一望できる屋上で、山梨に思いを馳せる…エモーショナルですね。耳にかけられてるヘッドフォンは休憩のときは必ず?
櫻井:はい。これは1ヶ月前くらいに買った〈ソニー〉のノイズキャンセリング付きのものです。いいヘッドフォンでいい音源を聴くと、別次元に行くような感覚になるんですよ。
ー 束の間の小旅行のような感じですね。新生パルコも多ジャンル、多国籍なテナントであふれていて、ある意味旅行しているような感覚になると思うのですが、実際働いていてどう感じていますか?
櫻井:昔とは違って、いろんな人に向けて用意がされているなと思いました。ビーガンの店があれば高級な肉屋があって、ハイブランドがあればポケモンセンターがある。みんながひとつの幸せに向かっているというより、それぞれの幸せがゆっくり一点にまじわっていくような、そんな印象を受けました!
ー 詩的な表現ですね。内側から見た渋谷パルコを知れた気がします。最後に、〈ビズビム〉の今季おすすめアイテムを教えてください。
櫻井:「チャムド フィッシュテイル パーカ」です。肩落ちがきれいな、前合わせのチベタンコートで、奄美大島だけでおこなわれている泥染めという手法で作られているんです。ミリタリーだけど品があっておすすめです。名前は言えませんが、あの芸能人も試着していきました…
ー 引きがありますね…だれでしょう。気になる方は店頭で櫻井さんをつかまえてみてください。というところで、今日はありがとうございました!