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FEATURE | TIE UP
現代の腕時計のあり方を問う、バナナ・ウォッチと5人のスタイル。
5 MEN & TISSOT HERITAGE BANANA

現代の腕時計のあり方を問う、バナナ・ウォッチと5人のスタイル。

ドレスからダイバーズ、はたまたタッチセンサー付きのタクタイルウォッチまで、時代をリードするさまざまな時計をつくってきた〈ティソ(TISSOT)〉。なかでも代表的なモデルといえば「ティソ ヘリテージ バナナ」こと、通称 “バナナ・ウォッチ” です。誕生から100年以上経ったいまでもこのキャッチーなネーミングはもちろん、湾曲したレクタングル型のフォルムはそのまま。長年ブランドの顔として愛されてきました。今回は5つのセレクトショップのプレスにこの時計の魅力を語ってもらいつつ、コーディネートを披露してもらいました。スマートフォンが進化するなかで、アナログウォッチに求められているものとは? “バナナ・ウォッチ” をきっかけに、現代の腕時計のあり方についても考えてもらいました。

  • Photo_Asuka Ito
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Ryo Muramatsu, Soma Takeda

Tissot Heritage Banana

“バナナ・ウォッチ” が誕生したのは1916年。ロマノフ王朝からの依頼によって生まれた時計は、デフォルメされたアラビア数字のインデックスやスペード針など、アール・ヌーヴォー様式のクラシックでありながら、どこか躍動感を感じさせるデザインになっています。この一見、華美なダイアルをまとめているのがレクタングルケース。“バナナ・ウォッチ” というネーミングにも繋がった、この手首に沿うようにカーブした形状は他にないフィット感を生み出します。今回コーディネートしたのは写真の4本。レザーストラップを使ったタイプ(各¥50,000+TAX)。11月に発売されたミラネーゼブレスレットのタイプ(各¥55,000+TAX)。クォーツムーブメント/3気圧防水/ケースサイズ:H49×W27mm

Style 01

Tatenori Kono / SHIPS

河野さんのスタイルは、〈マルセル ラサンス〉のジャケット、〈ジョン スメドレー〉のニット、〈ベルナール ザンス〉のスラックス、〈エデン ミラノ〉の革靴。“バナナ・ウォッチ” はホワイトダイアル×ミラネーゼブレスレット。

カジュアルはもちろん、ドレスに至るまで豊富な品揃えが魅力の「シップス」。そこでスーツをはじめとするドレスウェアを担当するのが河野建徳さん。インタビューの時に「小さい頃に欲しいものがあると、どうしてそれが欲しいのか、父親にプレゼンしないと買ってもらえなかった」と振り返り、それがきっかけで「服を見るときもアイテムの背景を探るようになった」と話します。見た目だけでなく、背景や中身にもこだわったコーディネートは、力の抜け具合もいい感じです。

ー 普段からアナログの腕時計はよくつけますか?

河野: そうですね。基本的にぼくはドレス担当なので、スーツを着る機会が多いんです。なので、おのずと腕時計が必要になってきます。仕事の日はもちろん、休みの日もアナログの時計をつけてますね。

ー 最近だとスマホを時計代わりにしている人も多い中で、河野さんはどうしてわざわざ腕時計をつけるのでしょうか?

河野: 単純に腕時計が好きで、「つけたい」という気持ちが強いのが正直なところです。時間を知るためというのはもちろんですけど、アクセサリー感覚でつけている部分もあります。男性は女性と比べてアクセサリーなどの装飾品をつけることって少ないと思うんです。だからといってスマートウォッチなど、現代的な時計をつけたいとも思わないんですが。

ー それはどうしてですか?

河野: 何十年後も使えるものを考えたときに、スマートウォッチよりもこうしたアナログ時計のほうが残ると思うんですよ。あとはメンテナンスをきちんとすることによって長持ちもしますよね。そういう嗜みってすごく男心をくすぐるんです。ひとつのものを長く愛用して、自分だけのものにするというか。そうして可愛がったものを子供に譲ったりするのもいいですし。

ー 河野さんはどんな腕時計がお好きなんですか?

河野: いわゆるドレスウォッチと言われるような二針でケースの薄い時計が好きです。あとはデザインも極力シンプルなものがいいですね。

ー そうした好みに “バナナ・ウォッチ” はハマりそうです。

河野: そうですね。針と数字だけというのが理想なので、“バナナ・ウォッチ” は自分の好みに近いです。厚みがあるほうだとは思うんですけど、ケースが腕の形に沿って湾曲しているので、そこまで厚みを感じさせないところも気が利いてるなと思いました。このカーブとミラネーゼブレスレットの組み合わせによってフィット感もすごくいいですね。長袖の服を着たときに、袖口が時計に引っかからないところも魅力的だなと思いました。

ー 今日のコーディネートはどんなことを意識しましたか?

河野: 時計の配色がモノトーンなので、服もそれに合わせました。それとこの時計自体に柔らかな雰囲気があったので、コーディネートもタイドアップしてキリッとするよりは、どこかリラックスしたムードを出したいなと思いました。

普通に考えたらこうしたダブルのジャケットは硬いと思われるかもしれません。でも、フランネル調の柔らかな素材感であったり、パンツもウールなんですけど、ソフトな生地感とワイドシルエットが生み出すドレープを活かした、肩肘張らないコーディネートを意識しています。

PROFILE

河野建徳

1991年生まれ、横浜育ち。2015年に「シップス」に入社し、カジュアルの売り場を経験後、ドレス部門の配属へ。3年販売を経験したのち、18年3月よりプレスを担当。

INFORMATION

ティソ

電話:03-6427-0366
オフィシャルサイト

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