1足でこんなに印象を変えられるモデルは珍しい。(国井)


Westsider Low Weather Violet / Desert Sage Nubuck(1月27日発売)
ー 「CA805」シリーズが、スニーカーフリークに受け入れられたんですね。そして、このたび発売される新モデル「ウエストサイダー ロー ウェザー(Westsider Low Weather)」がこちらです。
国井: 実物をはじめて見ました。
小島: 展示会では、まだデータの状態でしたので、はじめて手にします。「CA805」よりゴツくなった?


国井: 確かに。少しだけ、ずっしりしたかな。でも、軽量だからと言って、それが全部良い訳じゃないですからね。ある程度の重さがあると、歩いている時、振り子みたいに足が推進しますし。まだ履いてないから、何とも言えませんけど。
小島: そういえば、ダッドシューズって呼ぶ人も減りましたね。各ブランドで新しいスタイルとして定着したというか。
国井: ダッドシューズって呼び名にインパクトがあったからトレンド感が強いんですけど、チャンキーなソールユニットは、トレンドっていうより新定番になりましたね。ダッドシューズからはじまって、ウィメンズではプラットフォームタイプのソールも人気だったし、去年はサンダルもチャンキーなシルエットが人気でした。一旦、人気が落ち着くかと思ったけど、まだ店頭では動いているし、今年の春夏シーズンもたくさんのチャンキーなソールのモデルがリリースされるので、カテゴリーとして定着したと思います。


小島: これ、アッパーは防水レザーで、シュータンのナイロン部分は撥水加工を施しているんですよね? 機能性を気にするお客さんも多いので、良いと思います。
国井: そうですね。防水や撥水のスニーカーが、すごく増えました。タウンユースとしては、撥水素材とガゼットタンの採用で、十分に快適です。
小島: 〈アグ®〉は、シープスキンのブーツで認知されているから、スウェードとヌバックといったレザーを使っているところに、ブランドの背景を感じられます。そして、レザーだけど防水性っていうニーズにも応えていて。
国井: でも、素材を変えれば、違う見え方になりそう。スポーツブランドのスニーカーって、例えばランニングとかテニスとか、スポーツ別のカテゴリーで分けられますよね。〈アグ®〉のようなライフスタイルブランドには、そういう用途としてのカテゴライズがないので、素材やカラー次第で、アウトドアシューズに見えるし、ランニングシューズにも見える。スポーツブランドのスニーカーって、どうしても種目別のカテゴリーにとらわれてしまうので、どんなに色や素材を変えても、やっぱり枠に限界があるんです。でも、「ウエストサイダー ロー ウェザー」は、そもそもの起点が違うから、スポーツブランドとの違いがはっきりしています。1足でこんなに印象を変えられるモデルは珍しいですね。

小島: カラーリングも、独特で面白いですね。
ー 〈アグ®〉の2021年春夏シーズンのテーマは“感覚を呼び覚ます”です。カリフォルニアの大自然からインスパイアされたデザインソースやカラーパレットが使用されており「ウエストサイダー ロー ウェザー」はそれらのカラーをうまく取り入れながら90年代を彷彿とさせる配色にしています。
国井: 海のイメージが強かった〈アグ®〉ですけど、山を連想させるカラーリングがおもしろいですね。もちろん、ニュートラルなモノトーンのラインナップもあるし。

小島: ぼくは自転車通勤なので、パイピングのリフレクターも嬉しいです。
国井: このリフレクターの使い方、ラグジュアリーブランドのスニーカーみたいでいいですね。装飾美はラグジュアリーブランド、機能美はスポーツブランド、って感じのいいとこ取りですね。