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古着サミット9 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット9 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

各国のヴィンテージガーメンツを愛してやまない偏狂家たちによる恒例の古着放談『古着サミット』もついに第9弾。今回も、今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史のレギュラーメンバー4名をお迎えし、それぞれがいま興味を惹かれるアイテムやニュアンスはもちろん、コロナ渦で見えてきた新たな市場動向など、常に現場で掘り続けている彼らならではの視点から、現在進行系の古着の世界をお届けしましょう。

  • Photo_Toyoaki Masuda
  • Text_Takehiro Hakusui
  • Edit_Yosuke Ishii

「LIFEのロゴとサイズ感が購入の決め手」

’40-‘50s LIFE MAGAZINE BAG

阿部: 3つめは〈LIFE〉(1936年から2007年まで発行されていた米誌)のマガジンバッグ。以前からキャンバス地のいわゆるニュースペーパーバッグもプリントが良いものがあれば買っていたけど、これはまずロゴで即決。結構eBayなんかもチェックしているけど、初めて見たので。いつくらいのものだと思う?

藤原: 断言はできませんが、各部の仕様から1950年代以前ではあるかと。

今野: フラップもついててサイズもちょっとコンパクトでかわいいですね。

阿部: そうそう。eBayで見つけたんだけど、写真を見る限りでは縦長で。ニュースペーパーバッグだと横長が主流だから縦長かつコンパクトって部分も決め手のひとつだった。栗くんも〈サタデー イブニング ポスト〉のニュースペーパーバッグ持っているでしょ? あれも縦長だよね。

今野: ああ、あれもいいですよね。〈TIME〉とかもあるのかな? あったら欲しいかも。

阿部: あるかもしれないね。ただ、ご時世がご時世だけに「LIFE」ってワードがいまは若干照れくさくて(笑)

一同: (笑)

「描かれたモチーフからもある程度は年代判別できると思う」

VINTAGE BANDANA

阿部: 最後は好例のヴィンテージバンダナです(笑)。ただ、悩みに悩んでも厳選できなかったので、2020年に手に入れたものベストセレクション的な。

今野: またまたすごいのばかりですね。この未裁断のものは?

阿部: これは両耳仕様だから1940年代頃のもの。この柄の未裁断ははじめて見たので迷わず手に入れました。

今野: 両耳ってことは裁断して2辺だけ縫えば製品化できると。

阿部: そうそう。

今野: この鳥モチーフのものは生地がツイルっぽいですね。

阿部: うん、本来はバンダナではないかもだけど、去年の中でもトップクラスの衝撃的な柄だったんだよね。

今野: 織機はバンダナと同じもので織られてるのかもしれないですね。幅もほぼ一緒ですし。

藤原: こういうのって、そうそう古着屋に並ぶわけでもないですし、どうやって手に入れてるんですか?

阿部: eBayが多いけど、単純に「Vintage Bandana」とかのワードで検索すると、すでに市場価値のわかっているディーラーとか、さらに競り合う人も同じようなコレクターにあたる可能性が高いから、検索ワードは自分なりにかなり考えてはいるね。

藤原: なるほど。この鳥モチーフはいつ頃のものなんですか?

阿部: 1930年代以前かな。

藤原: それをeBayの画像からどうやって判別しているんでしょう?

阿部: まあ、一番わかりやすいのは耳。あとはプリントの柄とかかな。

栗原: アメリカ製だと単純に赤に黒プリントのものは、大体旧いですよね。

阿部: そうだね。ネイビーの2枚もおそらく1930年代以前のものだと思う。インディゴ染めだし、描かれたモチーフでもある程度は年代判別できるから。

藤原: そうなんですね。毎回勉強になるけど、深すぎてここには手を出せないかな…。

阿部: まあ、もう完全に自己満の世界なので(笑)

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