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家にとらわれない生き方に舵を切る。 NOT A HOTELという新しい暮らし。
Dual Residence

家にとらわれない生き方に舵を切る。
NOT A HOTELという新しい暮らし。

2021年春に発表されるやいなや、サービスの革新性から大きな注目を集めた「NOT A HOTEL」。その名の通り「NOT A HOTEL」が販売する物件は、自宅として使用することも、ホテルとして貸し出し収益を上げることもできるのです。すぐに10億円を超える投資が集まったということからも、その先進性と話題性がわかるでしょう。このサービスを始めたのは、EC支援サービスの「アラタナ」を創業し、「スタートトゥデイ(現ZOZO)」の傘下に入る形で、「ZOZO」のテクノロジー分野の中核を担ってきた濱渦伸次さん。そのキャリアはまさに成功者という言葉を当てはめたくなりますが、プロジェクトの始まりは、パーソナルな問題や気づきからでした。暮らしや働き方が大きく変わりつつあるこの時代に、「NOT A HOTEL」がもたらすものとは何か? そこには、これからの私たちの暮らし方を考えるヒントが散りばめられています。

  • Photo_Shintaro Yoshimatsu
  • Text_Shinri Kobayashi
WHAT is “NOT A HOTEL”?

「NOT A HOTEL」が販売する物件は、自宅として使用することも、ホテルとして貸し出し収益を上げることもできる。さらに物件のオーナーは、 すべての「NOT A HOTEL」を無料で相互に利用することも可能。

栃木県に完成予定の「NOT A HOTEL」イメージパース。

国内2箇所目となる、宮崎市に開業予定のイメージパース。

福岡に2023年開業予定の都市型コンドミニアムのイメージパース。

PROFILE

濱渦伸次
NOT A HOTEL代表取締役CEO

1983年生まれ、宮崎県出身。2004年に都城工業高等専門学校電気工学科を卒業後、大手電機メーカーを経て、07年にECサイト制作会社「アラタナ」を宮崎県で創業。15年に「スタートトゥデイ(現ZOZO)」に売却。20年に「ZOZO」を退社し、「NOT A HOTEL」を創業。

予想以上の反響と常識を覆すライフスタイル。

ー 2021年2月にサービスを発表されました。物件はまだ建っておらず、建物のパースのみ公開して今夏に販売を開始するということでした。実際の反響はどうでしたか?

問い合わせも含めて、4,000人ぐらいの方々から反応をいただきました。そこまでリアクションがあるとは、僕ら自身も思っていなかったので、びっくりしているところです。意外と、お金を持っていらっしゃる方は結構いるなあと(笑)。販売価格帯としては、4,000万ぐらいから10億円ぐらいと幅広いんですけども。

ー まだ実際には建っていない、パースだけの物件に対して、その反応はすごいですね。

反応にびっくりしつつ、少しだけいけるかなとも思ってました。15年前に僕が「アラタナ」を創業したときは、洋服はオンラインではあまり売れてなかったんですが、そのときと似ているなと。今や服は、実際には見れずとも、当然オンラインで売れているわけです。家を購入した後でその家を利用して稼げるという前提であれば、買いやすくなるはずだと思っていました。

ー 確かに、あらゆるもののオンライン購入のハードルは下がってきてはいますね。

より現実的な購入手段として、一つの物件をシェア買いできる仕組みを新しく考えています。服をはじめとして、シェアできるサービスが増えていますよね。例えば、「NOT A HOTEL」の物件を12人で買うと、年間30日は自分の家以外で生活できるわけです。年に一か月は「NOT A HOTEL」で過ごすという人生は、結構ワクワクするし、楽しいんじゃないかなと。今は、最大12人までの複数人でオーナーになれる仕組みを考えています。

ー 実際に、千葉などではサーファーが複数人で家をシェアしているという話も耳にしますよね。

はい。家を一つ買うとそれが終の住処というのが、これまでの当たり前の暮らし方だったと思うんですけど、服のように着替えるとは言いませんが、家を変えたりできるというのは、いい体験なんじゃないでしょうか。

栃木県の物件のイメージCG。

ー 「NOT A HOTEL」では、一つの物件のオーナーになると、他の物件を相互利用できるサービスがあります。これは濱渦さんは、「ZOZO」時代に宮崎や東京、千葉を行き来されていましたが、その体験がフィードバックされているんでしょうか?

その三つの地点を移動しながらも、これまでにいろいろな場所に住まいを持ってきたんですが、やっぱり家は支出のなかでも大きなウェイトを占めますよね。でも、僕は半分ぐらいは自分の住まいにいなかったんですけど、家賃やローンをずっと払っていて、ちょっとバカらしいなと。じゃあ、自分が使わないとき、例えば一週間家にいないときに貸し出して利益が10万円になったら、ビジネスになるかもしれないし、その分自分がいいホテルに泊まれたりするわけじゃないですか。「NOT A HOTEL」で相互利用できると、移動が色々と自由になるし、ひいては人生が自由になるんじゃないかなと。さらに、誰かに貸すときに鍵を渡したりなどの運営も自分でやる必要がなく、フルオペレーションのサービスがあったら、自分は絶対に使うと思いました。

ー 拝見したところ、濱渦さんは荷物も少なそうですね。

自分はミニマリストなので、荷物があまりないんです。本はあるんですけど、倉庫に預けてます。

ー どういうものを普段は買うんでしょうか?

そもそもあまり買い物をしないんです。例えば、お金がない時期でも、もうこの(ジャン)プルーヴェの椅子が欲しいとなったら、これ以外に欲しいものはなくなるんです。先に自分が“一番”欲しいものを買っておけば、それ以上は買い換えたりしなくていいので、物が増えません。

INFORMATION

NOT A HOTEL

notahotel.com

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