CLOSE
FEATURE
家にとらわれない生き方に舵を切る。 NOT A HOTELという新しい暮らし。
Dual Residence

家にとらわれない生き方に舵を切る。
NOT A HOTELという新しい暮らし。

2021年春に発表されるやいなや、サービスの革新性から大きな注目を集めた「NOT A HOTEL」。その名の通り「NOT A HOTEL」が販売する物件は、自宅として使用することも、ホテルとして貸し出し収益を上げることもできるのです。すぐに10億円を超える投資が集まったということからも、その先進性と話題性がわかるでしょう。このサービスを始めたのは、EC支援サービスの「アラタナ」を創業し、「スタートトゥデイ(現ZOZO)」の傘下に入る形で、「ZOZO」のテクノロジー分野の中核を担ってきた濱渦伸次さん。そのキャリアはまさに成功者という言葉を当てはめたくなりますが、プロジェクトの始まりは、パーソナルな問題や気づきからでした。暮らしや働き方が大きく変わりつつあるこの時代に、「NOT A HOTEL」がもたらすものとは何か? そこには、これからの私たちの暮らし方を考えるヒントが散りばめられています。

  • Photo_Shintaro Yoshimatsu
  • Text_Shinri Kobayashi

民泊は日本だと難しい。

ー 「Airbnb」などの民泊サービスと比較されるかと思うんですが、ご自身はそういったサービスを利用されたことはありますか?

はい。ツリーハウスなど色々な物件に、泊まったことがあります。当然満足できた部分とできない部分があるんですが、宿泊者側の視点では、家はいいけど、サービスはホテルと同等で泊まりたいなぁと思うこともありました。また、貸す側として考えると、鍵のことなど運営の面倒もありますよね。例えば、今軽井沢の別荘がすごく売れてるんですけど、平均して365日のうち20日間しか使われていないというデータがあるんです。つまり、何のために買ったのかというぐらい使われていない。で、貸さない理由を聞くと、やはり運営がめんどくさいとみんな答えるんです。

ー そこを「NOT A HOTEL」は、改善しているわけですね。

僕ら「NOT A HOTEL」は、オーナー様用のクローゼットがあるんです。そこに自分の荷物を置いておけるので、貸しやすいし、プライベートも守れる。だから、僕らは貸しやすい家を売っている住宅メーカーという考え方もできるんです。「Airbnb」は主に宿泊者向けのサービスですよね? 一方、僕らは、オーナー様向けのサービスなんです。「NOT A HOTEL」は、ワンタップでホテルにできてしまう。荷物を隠しやすい。運営しやすい。ホテルとして貸しやすい家を、D2C で売っているというわけです。「Airbnb」のように、プラットフォームを目指しているわけではなく、プロダクトを売っている感覚ですね。

ー 既存の別荘を運用するのではなく、ゼロからホテルを建てる理由はなんでしょうか?

例えば、法律上軽井沢の別荘は民泊運営がしにくく、実際にホテルとして365日稼働できる家、つまり旅行業が取れる場所というのは、日本には多くありません。ホテルとして貸し出せる環境を作れるというのが重要なポイントで、今ある別荘も住宅としか使えないんです。

ー なるほど。

そういった問題も全部クリアにしないと、民泊というのは日本だと難しいんです。将来的には、既存の別荘含めたすべての家に「NOT A HOTEL」のシステムをインストールしていきたいと思っているんですが、そもそもそれに対応していないのが現状です。イケてる家は、イケてる土地に建っていることが多いじゃないですか。つまり、イケてる家は、法律上ホテルにできないケースが多いわけです。例えば、用途制限によりホテルにできないとか、京都や東京の港区では90日以内の制約があります。だから、ホテルにできる家を作ってしまうのが、一番の近道なんです。

INFORMATION

NOT A HOTEL

notahotel.com

このエントリーをはてなブックマークに追加